{ "304001111_0": "侵食", "304001111_1": "(……胸が苦しい、熱い……)", "304001111_2": "(痛いよ……誰か……)", "304001111_3": "(……違う、誰かなんていないんだ……。\\n どんなに近くにいても、みんないなくなる……)", "304001111_4": "「響、響ってば……」", "304001111_5": "「……え?」", "304001111_6": "「ほら、朝ごはん食べながら寝るなんて器用なんだか\\n 不器用なんだか……もう、学校に遅れるよ?」", "304001111_7": "「学校? リディアン?\\n どうしてあなたが制服を着て……」", "304001111_8": "「もう、寝ぼけてるの?\\n 一緒に入学したんだから当たり前でしょ」", "304001111_9": "「はい鞄。準備しておいたから。\\n それ食べたらリディアンまで駆け足だからね?」", "304001111_10": "「食べ終わった?\\n それじゃ、一緒に行こう」", "304001111_11": "「――ッ!? はぁ、はぁ……。\\n また、夢……?」", "304001111_12": "(なんで……並行世界から来たとか言ってた、\\n あの子に会ったから? どうしてこんな夢を……何度も)", "304001111_13": "「……だからって、関係ない。\\n どうせ、わたしは独りなんだから……」", "304001111_14": "「まただ……これは何? 石……金属……?」", "304001111_15": "「……」", "304001111_16": "(胸から剥がれ落ちる石……段々、増えてる気がする。\\n 胸の痛みに比例して……)", "304001111_17": "「…………」", "304001111_18": "「これだけのノイズが現れるとは……。\\n 向こうの3人は大丈夫だろうか……」", "304001111_19": "「今は向こうの心配よりこっちの心配デス……。\\n かなりキツくなって来てるデスよ……」", "304001111_20": "「それでも……やるしかないよ。\\n 切ちゃん、頑張ろう?」", "304001111_21": "「もちろんデス……けど、いっそエクスドライブなら\\n ただのノイズなんて一掃出来るのに……」", "304001111_22": "「無いものねだりをしても仕方ない。\\n わたしたちに出来るのは、ただ自らの全力を尽くすのみだッ!」" }