{ "304000821_0": "「……ふッ! はッ!」", "304000821_1": "「……ふぅ。\\n ……何? 何か用?」", "304000821_2": "「……ごめん、邪魔しちゃったかな?」", "304000821_3": "「……この前の人たちといい、急に現れて何なの?\\n やけに馴れ馴れしいし」", "304000821_4": "「そうだったね、ちゃんと説明してなかった」", "304000821_5": "(並行世界やギャラルホルンについては機密だと思うけど……。\\n ううん、こちらが嘘や誤魔化しをしたんじゃ、信用してくれない)", "304000821_6": "「えーとね、わたしたちは――」", "304000821_7": "「別の世界、別のわたし……」", "304000821_8": "「うん、いきなり信じてって言っても難しいと思うけど……」", "304000821_9": "「……どうでもいい」", "304000821_10": "「他に用が無いなら、気が散るからどこかに行って」", "304000821_11": "「あのね、もう少しあなたと……響と話したいと思ったの」", "304000821_12": "「……わたしは話したい事なんてない」", "304000821_13": "「そんな事言わないで。あのね、この前の戦いの事なんだけど、\\n 響、わたしを……庇ってくれたんだよね?」", "304000821_14": "「庇った……わたしが?」", "304000821_15": "「うん、そうだよ。だからわたし、お礼を言いたくて……」", "304000821_16": "「そんなつもりなんてない……あなたの勘違い」", "304000821_17": "「ううん、響が庇ってくれたんだよ」", "304000821_18": "「……勝手な事言わないで。\\n ただの偶然。だから感謝されるいわれもない」", "304000821_19": "「それでも、響のおかげなのは確かだから。\\n ……ありがとう」", "304000821_20": "「……関係ない」", "304000821_21": "「え? 響、どこへ……?」", "304000821_22": "「……帰る。付いてこないで」", "304000821_23": "「何なの、あの子……」", "304000821_24": "「それでも、響のおかげなのは確かだから。\\n ……ありがとう」", "304000821_25": "(助けた……わたしが? そんなはず無い……。\\n 助けたりなんてしてない)", "304000821_26": "「助けなんて……あるものか。助けなんて……」", "304000821_27": "(……誰も、わたしを助けてくれなかった。\\n だから、わたしも誰も助けない。助けたりなんてしない)", "304000821_28": "(……胸の奥が痛い……痛いよ……)", "304000821_29": "「……こんなの、違う。痛くなんてない。\\n わたしはもう、こんなことで痛みなんて感じない……」", "304000821_30": "(誰かなんていらない。どうせ独りになるなら、\\n 最初から独りでいい……ううん、独りがいい)", "304000821_31": "「ヤツらだ……倒さなきゃッ!」" }