{ "304000522_0": "「少しは、気分転換になったか?」", "304000522_1": "「……まあね。やっぱりあなたも?」", "304000522_2": "「ああ……今も心の中は千々に乱れている……」", "304000522_3": "(当然よね……。\\n あの子を除けば翼が一番、付き合い長いんですものね)", "304000522_4": "「ところで……さっきの話だけど、どう思う?」", "304000522_5": "「向こうにいるという、立花のことか……?」", "304000522_6": "「ええ……『独り』そして『助けてくれない』。\\n どちらのあの子も口にしているその言葉……」", "304000522_7": "「確かに関係ない……とは言い切れないだろうな」", "304000522_8": "「原因不明の体調不良と、悪夢を見る立花、\\n その口から出た言葉と並行世界の立花との酷似……」", "304000522_9": "「状況的にみて、偶然という言葉だけでは片付けられないだろうな」", "304000522_10": "「やっぱり、そう思う?」", "304000522_11": "「……向こうから持ち帰ってくれたデータを、今、エルフナインが\\n 分析してくれているのだろう?」", "304000522_12": "「もしかしたら、他に分かることもあるかもしれないな」", "304000522_13": "「……そうね。今は、待つしかないわ。\\n ああ、そういえば。向こうの世界にはあなたもいたわよ」", "304000522_14": "「そうなのか? いったい、どんな……?」", "304000522_15": "「安心して。翼は向こうでも翼だったわ」", "304000522_16": "「それは、褒めてるのか……?」", "304000522_17": "「フフ、さあね?」", "304000522_18": "(よかった。今日は、昨日ほどうなされてないみたい……)", "304000522_19": "(でも、これ以上衰弱が進んだら……\\n 本当に、響の身体がもたなくなっちゃう……)", "304000522_20": "(クリスとマリアさんから聞いた、もう1人の響の話……)", "304000522_21": "(別の世界があるだなんて、すぐには信じられなかったけど……)", "304000522_22": "(でも……きっと、向こうの響が、こっちの響の衰弱に\\n 関係してる……今はそうとしか思えない)", "304000522_23": "「…………」", "304000522_24": "(響のために、今のわたしが出来ることって、何だろう……?)" }