{ "377000611_0": "フェス出場の危機", "377000611_1": "「…………」", "377000611_2": "「あら、プロデューサー。おかえりなさい」", "377000611_3": "「ええ、ただいま戻りました。\\n お2人は休憩中ですか?」", "377000611_4": "「クリスティーナなら、別室で取材対応中だ。\\n 同じフロア内なら、ピッタリ張りつく必要もないだろう」", "377000611_5": "「そうですか。\\n それなら何も問題ありませんね……」", "377000611_6": "「ねえ、『セイレーン』てなんなの?」", "377000611_7": "「……ッ!!」", "377000611_8": "「なんということだ……。\\n やはり、間違いないようだ……」", "377000611_9": "「セイレーン……。\\n ヤツは、歌に反応して……ッ!」", "377000611_10": "「……聞かれていたとは。\\n あの時、そんなに近くにいたのですか」", "377000611_11": "「何か知っているのでしょう?\\n わたしたちにすべて聞かせてもらえないかしら?」", "377000611_12": "「…………」", "377000611_13": "「できません。契約上の守秘義務に関わりますからね。\\n 話せば、僕はプロデューサーではいられなくなってしまう」", "377000611_14": "「契約上……? オメガタクトとの、ということか?\\n 音楽会社の守秘義務が、この話題に何の関係があるんだ」", "377000611_15": "「その段階から、守秘義務の範囲内です。\\n お話しすることは、できませんね」", "377000611_16": "「…………」", "377000611_17": "「……。僕は、仕事に戻りますよ。失礼」", "377000611_18": "「ウェルプロデューサー。わたしたちも元の世界では\\n アーティストとしてステージの上に立っていた者だ」", "377000611_19": "「だからこそ分かる。クリスティーナの才能は本物だ。\\n たとえ壁にぶつかっても乗り越え、夢を叶えるだろう」", "377000611_20": "「もちろん分かっていますよ。\\n 彼女は宇宙一の逸材です。磨けばいくらでも光り輝く……」", "377000611_21": "「そんな子を、裏切ったり悪事に利用するようなら……。\\n わたしたちは、あなたを許さない」", "377000611_22": "「そんなことする訳がないでしょうッ!?\\n 僕だって――ッ!!」", "377000611_23": "「おいッ! こんな所にいたのかよ。\\n カルマノイズが出やがったッ! 小型だが数が多いらしいッ!」", "377000611_24": "「分かった。すぐに向かおうッ!」", "377000611_25": "「それじゃあプロデューサー。わたしたちは行くわ。\\n ……あなたが話さなくても、真相は必ず明らかにする」", "377000611_26": "「それが、カルマノイズを倒す一番の早道だから」", "377000611_27": "「…………」" }