{ "318000711_0": "サンジェルマン救出", "318000711_1": "「さて。そうと決まったらラピスの修復ね」", "318000711_2": "「ああ。すぐに取りかかるワケダ」", "318000711_3": "「こっちに私の研究室があるわ。案内するわね」", "318000711_4": "「もらいっぱなしってのも癪だし、\\n 何かあれば宿賃くらいは働いてあげるわ」", "318000711_5": "「……ああ、その時は大いに頼らせてもらおう」", "318000711_6": "「それじゃ、あーしも研究室とやらで待機してるわね」", "318000711_7": "「わかった」", "318000711_8": "「本当によかった……」", "318000711_9": "「うれしそうですね、響さん」", "318000711_10": "「うんッ!」", "318000711_11": "「わたしたちの世界じゃちゃんと手を取り合えなかった2人とも、\\n こうして協力関係を結べたんだから」", "318000711_12": "「確かにわたしたちの世界では、最後にあの2人が現れて……」", "318000711_13": "「反応兵器を消しさってくれたデスけど……」", "318000711_14": "「調ちゃんと切歌ちゃんは、今回の協力体制に反対?」", "318000711_15": "「まあ、確かに、ちょっとは不安デスけど……」", "318000711_16": "「でも、響さんが信じるなら、わたしたちも信じたい」", "318000711_17": "「……うん。ありがとう、2人とも」", "318000711_18": "「今回も、なんだかんだと響さんのペースデスね」", "318000711_19": "「うん。なんだか、懐かしいね」", "318000711_20": "「いつだって響さんは誰にでも手を延ばし続けるデス」", "318000711_21": "「うん。それがたとえ敵であっても。戦いの最中でも」", "318000711_22": "「響さんが手を延ばしてくれたから、\\n アタシたちもこうしているんデスからね……」", "318000711_23": "「うん。そうだね」", "318000711_24": "「通じるといいね、今回も」", "318000711_25": "「そうデスね。……きっと大丈夫デスッ!」", "318000711_26": "「やれやれ……」", "318000711_27": "「お前は不服そうだな」", "318000711_28": "「不服と不安、半々ってところかな。\\n 懐に爆弾を抱え込んだ心境さ」", "318000711_29": "「まあ確かに、言い得て妙だな」", "318000711_30": "「なんだ、弦十郎のダンナは全面賛成だったかと思ったけど、\\n 違うのか」", "318000711_31": "「俺も了子くんに説得された口でな……」", "318000711_32": "「だが、この局面ではリスクを取らずにいては\\n 事態収拾の機会を失いかねないと、最終的に判断した」", "318000711_33": "「納得してくれとは言えんが、できるだけ理解してほしい」", "318000711_34": "「ダンナたちの決めたことだ。協力はするさ」", "318000711_35": "「それに、あいつの気持ちを汲んでやりたいっていうのもある」", "318000711_36": "「響くんのことか?」", "318000711_37": "「ああ、だけど、流石に完全に信用するってわけにはいかない」", "318000711_38": "「いつ敵になってもおかしくない連中だからな」", "318000711_39": "「そうだな。今はそれでいい」", "318000711_40": "「司令、ノイズの反応を検知しましたッ!」", "318000711_41": "「何? カルマノイズのか?」", "318000711_42": "「いえ、ノイズの模様です」", "318000711_43": "「確かにアルカ・ノイズではなく、ノイズですね」", "318000711_44": "「ふむ……ならば響くんたち――」", "318000711_45": "「出撃デスねッ!」", "318000711_46": "「だが……今回は流石に全員出撃というわけにはいかんか」", "318000711_47": "「どうしてですか?」", "318000711_48": "「装者なしであの錬金術師たちをここに残すのは、\\n 流石に少々不安がな……」", "318000711_49": "「ああ……」", "318000711_50": "「確かにデスね……」", "318000711_51": "「無論、こちらから持ち掛けた協力関係だ。\\n 信用はしたいが、万が一ということもあり得る」", "318000711_52": "「司令は了子さんの提案を完全に支持してるのかと」", "318000711_53": "「奏にも言われたよ」", "318000711_54": "「リスクを取らずには状況を打破出来ぬという判断の上だ。\\n 全く不安がないわけではないさ」", "318000711_55": "「司令さんも色々苦労してるんデスね」", "318000711_56": "「まあ、それが大人の仕事というものだからな……」", "318000711_57": "「あの2人なら、きっと大丈夫なはずです」", "318000711_58": "「しかしだな……」", "318000711_59": "「まったく、心配性ね、弦十郎くんは」", "318000711_60": "「了子くん、研究室から戻っていたのか」", "318000711_61": "「私も、響ちゃんと同感よ」", "318000711_62": "「君も、彼女らのことは信用できると?」", "318000711_63": "「信用という意味では、正直半々というところね。\\n 希望的観測を述べるのは私も趣味じゃないし」", "318000711_64": "「なら、どうして大丈夫なんデスか?」", "318000711_65": "「今、研究室で様子を少しだけ見せてもらったけれど、\\n ラピスの修復にはまだまだ時間がかかりそうよ」", "318000711_66": "「私たちや二課の設備に何かあったら、ラピスの修復は\\n できなくなるし、しばらくは妙な行動はしないと思うわ」", "318000711_67": "「なるほどな……なら、少なくとも今回は問題ないか」", "318000711_68": "「すまない、3人とも、\\n ノイズ撃滅のため、出撃してくれるか?」", "318000711_69": "「奏は、念のため二課に控えさせてもらいたい。\\n まだ、病み上がりというのもあるからな」", "318000711_70": "「はい、了解ですッ!」", "318000711_71": "「そうと決まったら早く出るデスよッ!」", "318000711_72": "「うん、急ごう」" }