{ "343000431_0": "「マスター、命令、敵、壊レルマデ」", "343000431_1": "「くッ! 躊躇がないなッ!」", "343000431_2": "「メロウはマスターの命令に一切抗うことなく、\\n 違和感も持たず、私たちを攻撃してきています」", "343000431_3": "「迷いが無いだけ強いとでも言いたいんですか。\\n でもあれじゃあ、ただ命令を聞くだけの道具じゃないですか」", "343000431_4": "「だが、あれが正しい形ではないのか。\\n 自動人形として――」", "343000431_5": "「そんなことはわかってますよ。\\n 道具である自分たちが、この戦いに私情を持ち込むなんて」", "343000431_6": "「自動人形、倒スッ!」", "343000431_7": "「メロウッ! あのマスターの命令を聞くの、\\n 嫌じゃないのカ?」", "343000431_8": "「マスター、命令。\\n 敵、自動人形、破壊」", "343000431_9": "「無駄なんだよッ!\\n そんなこと聞いたってッ!」", "343000431_10": "「なんだか、変な感じがするゾ……。胸がモヤモヤする……。\\n 本当にメロウを倒さなきゃいけないのカ?」", "343000431_11": "「……ええ。マスターを護るために、目の前の敵と対峙するのは\\n 私たちの役目ですから」", "343000431_12": "「躊躇う時間は地味に無い」", "343000431_13": "「何をしている?\\n 手段を選ばず壊せッ! 早くしろッ!」", "343000431_14": "「了解、マスター」", "343000431_15": "「うッ!?」", "343000431_16": "「……防ぐだけならなんとでもなりますが、\\n これではジリ貧ですわ」", "343000431_17": "「あちらのマスターが止めない限りは、命令通りに動くでしょうね。\\n 例え、メロウ自身が壊れるようなダメージを受けても……」", "343000431_18": "「じゃあ、大人しくさせても無駄なのカ?」", "343000431_19": "「そんなことはわからない。\\n だが、彼女をただ破壊するだけなど……」", "343000431_20": "「……そうか、そういうことだったのか」", "343000431_21": "「何を理解した。\\n 自分の人形では勝てないと悟ったかッ!」", "343000431_22": "「ああ、勝てないだろうな。\\n あいつらは勝つつもりがそもそも無いのだから」", "343000431_23": "「なんだと?」", "343000431_24": "「お前たち、よく聞けッ!」", "343000431_25": "「マスターッ!?」", "343000431_26": "「責任はオレが取る。", "343000431_27": " これは命令だ、全力で戦えッ!」", "343000431_28": "「マスター……」", "343000431_29": "「私たちのマスターが全力で戦えと言うのであれば」", "343000431_30": "「もう迷いませんわ」", "343000431_31": "「相手が誰であろうとッ!」", "343000431_32": "「全力で戦ってやるゾッ!」", "343000431_33": "「命令1つで人形の性能が上がるとでも思ったのか。\\n 何も変わりはしない、何もな」", "343000431_34": "(お前たちがどんなことで迷っているのかは知らん。\\n あいつを助けようとする理由も)", "343000431_35": "(だが、それが枷になっているのであれば、\\n そんなものはオレが断ち切ってやる)", "343000431_36": "(それは他の誰にもできはしない。\\n お前たちのマスターであるオレにしかできないことだ)" }