{ "350000811_0": "仲間", "350000811_1": "「ご心配をおかけしました……ッ!」", "350000811_2": "「もう大丈夫なのか?」", "350000811_3": "「はいッ! もうすっかりッ! ……とまでは、", "350000811_4": " いかないんですけど、いつまでも休んではいられません」", "350000811_5": "「全快はしてないのか?」", "350000811_6": "「ありがとう、大丈夫だよ。普通に動くぶんには問題ないと思う。\\n たまに、心が痛くなるぐらいだから」", "350000811_7": "「――心が痛くなる?」", "350000811_8": "「うん、最初は胸にぽっかり穴が開いたみたいで、\\n すごく苦しかったんだ」", "350000811_9": "「今もその穴は消えてない。\\n だけど、何かが少しずつその穴を埋めてくれてるみたいな……」", "350000811_10": "「うーん、カサブタみたいな感じ?」", "350000811_11": "「はあ?\\n お前の説明だと、サッパリだな……」", "350000811_12": "「メディカルチェックでは異常がないってことですよね?」", "350000811_13": "「あの、響の様子を見ていて\\n 気づいたことなんですけど――」", "350000811_14": "「なるほど。響くんの体調不良の原因が並行世界に\\n あるかもしれない、か……」", "350000811_15": "「精神的リンクですね。\\n つまり、並行世界の響さんに何かが……」", "350000811_16": "「だから、向こうの様子を確認しに行かせてください」", "350000811_17": "「……そうだな、わかった。\\n 何か情報が得られるかもしれん。許可しよう」", "350000811_18": "「ありがとうございますッ!」", "350000811_19": "「……着いたわね」", "350000811_20": "「街に……被害が……ッ!?\\n 前に来た時はこうじゃなかったのに……」", "350000811_21": "「二課に急ぎましょう。話を聞く必要があるわ」", "350000811_22": "「ご無沙汰してます」", "350000811_23": "「ああ、よく来てくれたな」", "350000811_24": "「この世界で、何かがあったんですね?\\n 今日はそれを確認しに来ました」", "350000811_25": "「ああ……。\\n 人を消し去る怪物の襲撃、そして炎の巨人スサノオの出現……」", "350000811_26": "「そして、装者とは違う\\n 未知のギアを纏う者の出現も――」", "350000811_27": "「……どうやらこっちに来たのは正解みたいね。\\n 詳しい話を聞かせてもらえますか?」", "350000811_28": "「そうして、スサノオを追って響くんは並行世界へと\\n 渡っていった……」", "350000811_29": "「そんなことが……」", "350000811_30": "「響……。\\n こっちのわたしがいなくなったから、そんなに苦しんで……」", "350000811_31": "「響くんのことだが……」", "350000811_32": "「スサノオを追っているなら、どこかで遭遇するかもしれません。\\n そうしたら、話をしてみようと思います」", "350000811_33": "「わたしが、どこまで力になれるかわかりませんが……」", "350000811_34": "「ああ、よろしく頼む……」", "350000811_35": "「……小日向、マリアッ! 待ってくれないかッ!」", "350000811_36": "「あなたは……こっちの翼ね」", "350000811_37": "「ああ、2人が来ていると聞いてな。\\n 頼む、少しだけ話をさせてくれ」", "350000811_38": "「こちらの立花のことだ。\\n ……わたしは、彼女を助けられなかった」", "350000811_39": "「スサノオはあらゆるものを破壊していった。\\n わたしは絶唱を使ってなお、わずかなダメージを与えるのが限界だった」", "350000811_40": "「あなたと立花響でスサノオと戦ったのね」", "350000811_41": "「いや、立花が引き継いだエレクライトの元の持ち主もスサノオと\\n 敵対していたようだ。スターリットという者だが……」", "350000811_42": "「不甲斐ないことに、わたしはまだ戦えない……」", "350000811_43": "「頼む、小日向……立花を救ってやってくれ。\\n 帰る場所はここにあるのだと、伝えてやってほしいんだ……」", "350000811_44": "「わかりました、必ず」", "350000811_45": "「ああ、頼む……。今の立花に声を届けることができるのは、\\n 小日向しかいないんだ……」" }