{ "346000311_0": "忍び寄る影", "346000311_1": "その頃、もう1人の響は――", "346000311_2": "「おはよーッ! 未来ッ!」", "346000311_3": "「あれ? もう起きたの?\\n 今日は休日なのに……」", "346000311_4": "「うん、なんかすっごくいい夢を見たんだよね。\\n そしたら、バッチリ目が覚めちゃってッ!」", "346000311_5": "「そうなんだ。どんな夢だったの?」", "346000311_6": "「それが――、……あれ?\\n どんな内容だったっけ……?」", "346000311_7": "「忘れちゃった?」", "346000311_8": "「さっきまでは覚えてたんだよッ!\\n すっごくあったかくて、ポカポカして――」", "346000311_9": "「うう、ダメだ、思い出せない……。\\n いい夢だったのは間違いないんだけど……」", "346000311_10": "「……あ、未来も出てきたような気もする」", "346000311_11": "「わたしも?」", "346000311_12": "「うん、なんかとっても幸せだった……、と思うッ!」", "346000311_13": "「フフ、よかったね。\\n それはそうと、そろそろ準備しないと」", "346000311_14": "「そうだったッ! みんなと遊びに行く約束ッ!」", "346000311_15": "「ご飯の用意はするから、響は出かける準備をお願いね」", "346000311_16": "「映画、面白かった――ッ!」", "346000311_17": "「おおお……まだ地面が揺れてる感じがするデス……。\\n 恐るべし、3D映画デース……」", "346000311_18": "「ギアでの戦闘さながらの臨場感……、\\n 映画も侮れないな」", "346000311_19": "「並行世界が題材だったね。\\n なんかちょっと、考えちゃうな……」", "346000311_20": "「確かにな。ま、最終的にはミステリーもへったくれも無い\\n ド派手なバトルだったけど」", "346000311_21": "「並行世界絡みでド派手なバトルといえば、\\n アタシたちも経験してるデスッ!」", "346000311_22": "「世界蛇……」", "346000311_23": "「改めて考えてみると、映画顔負けの戦いをしてるんだな、\\n あたしたちって」", "346000311_24": "「あれだけ多くの装者や並行世界のやつらを\\n 巻き込む戦いが起きるなんて、思ってもみなかったよな……」", "346000311_25": "「うん。でもいろんな並行世界の仲間と、\\n ミーナさんたちの協力で勝つことができた」", "346000311_26": "「そうだったデスね」", "346000311_27": "「みんな、元気してるかなぁ?」", "346000311_28": "「気になるなら見に行ってみたらどうだ?\\n そろそろ定期報告のタイミングだろ?」", "346000311_29": "「そっか、そうだねッ!」", "346000311_30": "(並行世界か……)", "346000311_31": "(向こうの響、元気にしてるかな……。\\n ちゃんと、向こうのわたしが傍にいるよね……)", "346000311_32": "「どうかしたか?」", "346000311_33": "「ちょっと、ね……。\\n 並行世界で出会った響は、大丈夫かなって思って」", "346000311_34": "「あの世界との交流はほとんど無いから……」", "346000311_35": "「『様々な影響を考えて、並行世界間の関わりは極力抑える』\\n ってのがあっちの考えだったか」", "346000311_36": "「ま、それはそれで間違ってないだろ」", "346000311_37": "「うん、そうだね。\\n でも、もしまた世界蛇みたいな危機が迫ったら……」", "346000311_38": "「流石にそうホイホイ起きるような事態じゃないって」", "346000311_39": "「そ、そういうこと言っちゃダメデスよッ!」", "346000311_40": "「フラグになっちゃう……」", "346000311_41": "「ハッ、そんなもん叩き折ってやるっての」", "346000311_42": "「……」", "346000311_43": "「大丈夫だよ。だって、ほら見てッ!\\n わたしは元気いっぱいだよッ!」", "346000311_44": "「フフ、そうだね」", "346000311_45": "(ならきっと、向こうの響も大丈夫。\\n わたしは、わたしの響の傍にいよう)", "346000311_46": "「それより、今は先輩たちの心配をしたほうがいいんじゃないか?」", "346000311_47": "「海外任務中でしたね」", "346000311_48": "「マリアたちなら、きっと大丈夫デスよッ!」", "346000311_49": "「情報通り現れたかッ!\\n マリアッ!」", "346000311_50": "「ええ。この先には一歩たりとも進ませないわ。\\n 行くわよッ!」" }