{ "104500122_0": "「もう、動けないデース……」", "104500122_1": "「限界……」", "104500122_2": "「ふむ……。\\n 仕方ない、では次は別の観点から――」", "104500122_3": "「あの、少しいいでしょうか?」", "104500122_4": "「どうした?」", "104500122_5": "「できればここまでの訓練データをまとめて、プロテクターの\\n エネルギー変換と、その維持を少しでも補助できるように――」", "104500122_6": "「みなさんのギアを預かって、\\n OSの調整を行いたいのですが……」", "104500122_7": "「わかった。\\n そういうことならば、本日の訓練はこれまでとするッ!」", "104500122_8": "「はあ、つっかれたー」", "104500122_9": "「まったくだ……」", "104500122_10": "「しかし、G3FAがここまで難しいとは……」", "104500122_11": "「結局、今日のところは上手くいかなかったわね」", "104500122_12": "「そうデスね……」", "104500122_13": "「新技……本当にできるのかな?」", "104500122_14": "「できるできないじゃなくて、やるしかないわ。\\n わたしたちには、もうイグナイトは無いんだから……」", "104500122_15": "数日前――", "104500122_16": "「あの時のアダムの言葉を覚えているか?」", "104500122_17": "「降臨はまもなくだッ! カストディアンのッ!\\n それまでに手にしなければならないッ!」", "104500122_18": "「アヌンナキに対抗し、超えるだけの力をッ!\\n ――なのにお前たちはあああああぁぁぁッ!」", "104500122_19": "「砕かれたのさ……、希望は今日に……」", "104500122_20": "「――絶望しろッ! 明日に……未来にッ!\\n フフ、ハハハ……アーーハッハッハ……ッ!」", "104500122_21": "「アダムはアヌンナキの降臨を予言していた。\\n そして、それに対抗しようとしていた……」", "104500122_22": "「アヌンナキの降臨……これが何を指すのかはわからない。\\n それが起こるのが明日なのか、それとも100年後かも不明だ」", "104500122_23": "「だが、あのアダムが憂慮していた事態だ。特異災害としては\\n それこそ前代未聞――神話級の事態が起こる可能性もある」", "104500122_24": "「……」", "104500122_25": "「現在、確保したパヴァリア光明結社の残党からの聞き取りと、\\n 制圧したアジトからの情報収集を進めているが――」", "104500122_26": "「状況については芳しくない。\\n アダムの発言、その真意、それに繋がるものは目下捜索中だ」", "104500122_27": "「まだなんにも情報が無いってことか?」", "104500122_28": "「……その通りだ。我々S.O.N.G.以外にも、\\n パヴァリア光明結社の持つ情報を狙っている組織は多い」", "104500122_29": "「また、結社内部でも\\n 小競り合いや衝突が起きているようでな……」", "104500122_30": "「これまで確保した結社のアジトや情報は、既に破壊、\\n もしくは廃棄され、不完全なものがほとんどだった」", "104500122_31": "「結社に関わっていたと思われる、多くの錬金術師たちも、\\n 既にそのほとんどが姿を隠してしまっているようだ」", "104500122_32": "「組織が瓦解してしまった故に、\\n 乱離拡散してしまったということか……」", "104500122_33": "「幹部級と局長が一度に失われたんだもの。\\n そうなるのも無理はないわ」", "104500122_34": "「だが、そのために情報も同じように散り散りになって\\n しまっている」", "104500122_35": "「こちらの問題については、恐らくまだ時間がかかる。\\n だが、かといって次なる危機がいつ訪れるとも限らない」", "104500122_36": "「そこでだ。俺たちは俺たちで、\\n 今できることを進めておくべきだろう」", "104500122_37": "「できること……ですか?」", "104500122_38": "「そうだ。\\n ――エルフナインくん」", "104500122_39": "「はい。今進めておきたいこととは、戦力の強化についてです」", "104500122_40": "「戦力の……?」", "104500122_41": "「強化、デスか?」", "104500122_42": "「そうです。みなさんのギアは先の戦いで、ダインスレイフの\\n 欠片が焼却され、今のリビルドギアへと変化しました」", "104500122_43": "「これはラピス・フィロソフィカスの輝きを取り込むことで、\\n 一部、ファウストローブに近い特性を持ったと考えられます」", "104500122_44": "「ファウストローブの……?\\n でも、それって具体的にどんな影響があるの?」", "104500122_45": "「残念ながらそれはまだわかりません。というより前例が\\n 無いものなので、調べていくしかないといった方が正しいです」", "104500122_46": "「……大丈夫なのか? いろいろと……」", "104500122_47": "「これまでの経過を見る限り、通常の運用においては\\n その影響はほぼないようです」", "104500122_48": "「ただし単純に以前と比べた場合、イグナイトという\\n 決戦機能の1つを失ったことで、戦力の低下は否めません」", "104500122_49": "「ですので、それを補うための戦力アップ――強化について\\n 提案させてください」", "104500122_50": "「戦力の向上については願ってもないことだが……、\\n 一体どんな方法を駆使するつもりなんだ?」", "104500122_51": "「Glitter Gear Gathering Finest Arts、\\n ――通称G3FAという特殊運用になります」", "104500122_52": "「G3FA……?」", "104500122_53": "「ええと、有り体に言えば、\\n 『必殺技』のようなものでしょうか」", "104500122_54": "「――必殺技デスかッ!」", "104500122_55": "「必殺技……それは楽しみッ!」", "104500122_56": "「これまで戦いの中でギアの一部を変化、エネルギーと変換して\\n 戦ってきたことがあるかと思います」", "104500122_57": "「直近では響さんの黄金錬成の直前、みなさんはギアのプロテ\\n クターをパージし、それを力と変えて響さんに付与しました」", "104500122_58": "「あれを応用して、プロテクターのエネルギーを力へと変換、\\n それを集束して放出することはできないかと……」", "104500122_59": "「それがG3FAなんです」", "104500122_60": "「あの時の……なるほどね……」", "104500122_61": "「詳しい方法などは資料を用意しましたので、目を通して\\n おいてもらえたらと思います」", "104500122_62": "「話はわかったな。各々が資料を確認したら、\\n 早速訓練に入るぞ」", "104500122_63": "「これはイグナイトを失ったことによる戦力ダウンを\\n 補うものでもある。お前たち、気合を入れろッ!」", "104500122_64": "「アヌンナキの降臨……。\\n それまでに、少しでも力をつけねば……」", "104500122_65": "「そうね。頑張りましょう」" }