{ "105000731_0": "「現場周辺から遺体発見の報告、ありません」", "105000731_1": "「近隣の病院に負傷者が運び込まれた記録もありません。\\n ですが、あの出血では……」", "105000731_2": "「……捜査範囲の更なる拡大をお願いします」", "105000731_3": "「了解です」", "105000731_4": "(周辺の監視カメラまで、1つ残らず壊されている……)", "105000731_5": "(手口は周到……入念に……)", "105000731_6": "「恐らくは、偶発的に巻き込まれたのではなく――」", "105000731_7": "「ああ、敵の仕組んだ罠にかかってしまったと考えるべきだな」", "105000731_8": "「保護レベル最高位指定の2人が揃って……」", "105000731_9": "「錬金術によるバックアップスタッフと……、\\n 神の力の依り代たりうると、仮説される少女……」", "105000731_10": "「調査部にて警護に努めてきましたが、\\n 査察による機能不全の隙を突かれてしまいました」", "105000731_11": "「敵の狙いは未来くん、\\n またはエルフナインくん、あるいは……」", "105000731_12": "「その両方……という線も考えられますね」", "105000731_13": "「いずれにせよ、今必要なのは情報だ。\\n 状況打開のためにも、引き続きの捜査を頼む」", "105000731_14": "「まもなく鑑識の結果も出ます。\\n 調査部の全力をかけて、必ず」", "105000731_15": "(2人とも……無事でいてくれ……)", "105000731_16": "「…………えッ? あ……」", "105000731_17": "「うん……ありがとう、クリスちゃん……」", "105000731_18": "「それにしても……まさかというより、\\n やっぱりの陽動だったデスッ!」", "105000731_19": "「あの時、管制指示を振り切ってさえいれば――」", "105000731_20": "「月読と暁は、わたしの状況判断が誤っていたとでも\\n 言いたいのか?」", "105000731_21": "「え?」", "105000731_22": "「えっと、そうじゃなくてデスね……」", "105000731_23": "「ならば、どういう――」", "105000731_24": "「いいかげんにしてッ!」", "105000731_25": "「誰よりも取り乱しそうなこいつが、自分のなすべきことに\\n 向き合おうと努めているんだッ! 頼むよ、先輩……」", "105000731_26": "「…………」", "105000731_27": "「翼さん……」", "105000731_28": "「どうしたの? らしくもない……」", "105000731_29": "「――ッ!」", "105000731_30": "「待ちなさいッ! 話はまだ――」", "105000731_31": "「…………」", "105000731_32": "「なんだか様子が……」", "105000731_33": "「ギザギザハートになってるデスッ!」", "105000731_34": "「そうね。でも、これ以上責めないであげて。\\n 翼自身、わかっているはずよ」", "105000731_35": "「んなこと、言われなくったってな……く……ッ!」", "105000731_36": "(腕輪から抽出した無軌道なエネルギーを、拘束具にて制御――)", "105000731_37": "(これでわたしたちは……)", "105000731_38": "「ヴァネッサ、ミラアルクの帰還を確認。\\n お客様も一緒でありますッ!」", "105000731_39": "「ご苦労様。こちらの準備も順調よ。早速取り掛かりましょう」", "105000731_40": "「ガンスッ!」", "105000731_41": "「神の力は、わたしたちの未来を奪還するために……」" }