{ "351000331_0": "「Killter Ichaival tron――」", "351000331_1": "「……ん? なんだ、反発が全くないぞ」", "351000331_2": "「うおッ! いきなりギアが変化しやがったッ!?\\n 反発もなく、あっさりと……」", "351000331_3": "「――ッ!」", "351000331_4": "「しかし、反発が全くないのは少々気になるな……」", "351000331_5": "「他の怪獣と違って、ガメラは人類の味方だから……かな?」", "351000331_6": "「きっとそうだよッ!\\n ガメラが応えてくれたんだよッ!」", "351000331_7": "「…………」", "351000331_8": "「やっぱり、ガメラは――」", "351000331_9": "「あれ? もう解いちゃうの?」", "351000331_10": "「いや、違うッ!\\n あたしが解いたんじゃない、勝手に解けたんだッ!」", "351000331_11": "「勝手に?」", "351000331_12": "「それじゃあ、もう一度纏えば……」", "351000331_13": "「……ダメだ。反応しないッ!」", "351000331_14": "「え……どうして、ガメラ……」", "351000331_15": "「もしかしたら、ガメラの残滓だけ\\n 何か問題があるのかもしれないね」", "351000331_16": "「確かに歌を唄った時も、\\n ガメラの残滓だけは反応がわずかだったな」", "351000331_17": "「じゃあ、この残滓には力が残ってないってことか」", "351000331_18": "「そ、そんなー」", "351000331_19": "「……そう落ち込むなって、また後で試してみるよ」", "351000331_20": "「他にも怪獣の残滓があれば、わたしも試せるのだが……」", "351000331_21": "「…………」", "351000331_22": "「ちょっといいだろうか?\\n ここに来たときから気になっていたのだが……」", "351000331_23": "「なーに?」", "351000331_24": "「あの隅にあるものはなんだ?\\n ギャオスの牙とも違う……まるで刃のような……」", "351000331_25": "「あれかー……」", "351000331_26": "「あれも怪獣のモノなの?」", "351000331_27": "「一応そうだよ。\\n あれは、レギオンっていう怪獣の一部なんだ」", "351000331_28": "「レギオン……?」", "351000331_29": "「しかし、怪獣の残滓は3つしかないと言っていなかったか?」", "351000331_30": "「んーとー。\\n 実はね、レギオンは、他の怪獣とちょっと違うんだー」", "351000331_31": "「違うとは……?」", "351000331_32": "「ガメラ、ギャオス、イリスは、\\n 地球で生まれたとされている怪獣なんだけど――」", "351000331_33": "「レギオンは、宇宙から飛来した怪獣なの。\\n だから、他の怪獣に比べて情報も少なくて……」", "351000331_34": "「宇宙怪獣ってことかッ!?」", "351000331_35": "「ギャオスやイリスだけでも大変なのに、\\n 宇宙怪獣までいるなんて……」", "351000331_36": "「シンフォギアも無しで、よく人類の世界が残っていたな……」", "351000331_37": "「ガメラがいたからだよ」", "351000331_38": "「ガメラが、わたしたちを護ってくれていたの。\\n だから、わたしたち人類は今日まで生き残れた」", "351000331_39": "「……ガメラってすごいんですね」", "351000331_40": "「うんッ!」", "351000331_41": "「みんな、もうガメラのことはあきらめちゃってるけど、\\n わたしは、絶対にあきらめないッ!」", "351000331_42": "「ガメラは来るよ、きっとッ!」", "351000331_43": "「わたしも、信じます」", "351000331_44": "「ありがとー、セレナ」", "351000331_45": "「レギオンが他の怪獣とは違う存在であることはわかった。\\n だが、だからとて、デュオレリックができないとは限らない」", "351000331_46": "「え……?」", "351000331_47": "「わたしに、試させてくれないか?」", "351000331_48": "「先輩……」", "351000331_49": "「でも、すごく危険かもしれないよ……」", "351000331_50": "「強い反発が起きたらすぐやめる。\\n それならいいだろう?」", "351000331_51": "「わかった」", "351000331_52": "「でもその前にもう1つ、レギオンについてだけど……」", "351000331_53": "「なんだ?」", "351000331_54": "「過去の資料によると、\\n レギオンは、ガメラにとって最強の敵だったらしい」", "351000331_55": "「ガメラは、レギオンを倒すために、\\n 一度きりしか使えない必殺技を使用したらしいの」", "351000331_56": "「でも、その代償は、\\n 計り知れなかったと記述されている」", "351000331_57": "「レギオンは、そんな怪獣なんだよ」", "351000331_58": "「…………」", "351000331_59": "「それを聞いてもやる?」", "351000331_60": "「もちろんだ」", "351000331_61": "「……本当に、あなたたちってすごいねー。\\n もうわたしから言うことはないよ」", "351000331_62": "「では、試してみよう」", "351000331_63": "(危険を冒してきたのは、今に始まったことではない。\\n 僅かでも可能性が残っているのなら試すだけの価値はある)", "351000331_64": "「Imyuteus amenohabakiri tron――」", "351000331_65": "「なッ、これは――」", "351000331_66": "「先輩、大丈夫かッ!?」", "351000331_67": "「あ、ああ……」", "351000331_68": "「これが、レギオン……?」", "351000331_69": "「こんな簡単にレギオンの力を取り込めるなんてすごいよッ!\\n どうやったの?」", "351000331_70": "「さすがです」", "351000331_71": "「それがわたしにもわからないんだ。\\n ただ触れただけでこうなってしまったからな」", "351000331_72": "「――ッ!?」", "351000331_73": "「大変だッ!\\n 保管していたレギオンの遺骸が再生したッ!」", "351000331_74": "「レギオン?」", "351000331_75": "「再生? なんでー?」", "351000331_76": "「俺にはわからん」", "351000331_77": "「すまないが手を貸してくれッ!」", "351000331_78": "「ここで怪獣に暴れらたら大変な被害が出るッ!」", "351000331_79": "「行くぞッ!」", "351000331_80": "「ああ、案内してくれッ!」", "351000331_81": "「こっち、すぐ近くだ」", "351000331_82": "「これが……レギオン?」", "351000331_83": "「なんだ? 空を見上げて……何をしてるんだ?」", "351000331_84": "「なんだか嫌な予感がする。\\n 早くやっつけた方がいいよー」", "351000331_85": "「真琴さんの勘は当たるんです」", "351000331_86": "「なら、早く倒しましょうッ!」", "351000331_87": "「ちょうどいい、この力を試してやろう」" }