{ "347000842_0": "「はあ、はあ……」", "347000842_1": "「あと、もう少しなのに……」", "347000842_2": "「逃げ道が無いようだが、まだ抵抗するつもりか。\\n そこの2人も、動けはしないだろう」", "347000842_3": "「クソッ……」", "347000842_4": "「無駄なことだ。\\n どこに逃げようと――」", "347000842_5": "「ふざけるな!\\n 誰がお前なんかの好きにさせるか……!」", "347000842_6": "「なら、お前にも毒をくれてやる。\\n 抵抗する意思すら無くすだろうな」", "347000842_7": "「そんなものに屈するか!\\n 俺は絶対に仲間を助ける!」", "347000842_8": "「ならば、心が砕ける様をゆっくり見させてもらおう」", "347000842_9": "「プリズムソード!」", "347000842_10": "「ぐッ、魔術だとッ!?」", "347000842_11": "「ジーニアス!?\\n なんでここにいるんだ!」", "347000842_12": "「加勢に来たからに決まってるでしょ。\\n コレット、みんなを!」", "347000842_13": "「うん、任せて」", "347000842_14": "「コレットまで!?」", "347000842_15": "「なぜだッ!? お前は毒で動けないはず。\\n どうしてここにいるッ!」", "347000842_16": "「それはボクが作ったマーボーカレーのおかげさ。\\n 毒なんてぱっと消すんだから!」", "347000842_17": "「そんなバカなッ!?」", "347000842_18": "「ホーリーソング!」", "347000842_19": "「この歌は……身体の奥から力が湧いてくる……ッ!?」", "347000842_20": "「そうか、これが彼女が言っていた歌の天使術……」", "347000842_21": "(だけど、この感覚はフォニックゲインと同じ……?\\n アガートラームが反応している……?)", "347000842_22": "「くッ……実験体どもが……、\\n だが、その程度の力ならば恐れることもない……ッ!」", "347000842_23": "(ダメ、足りない……もっと力を……)", "347000842_24": "「コレット、無茶だ!」", "347000842_25": "(唄えるわ……わたしも、彼女と一緒に……)", "347000842_26": "「~~♪ ~~♪」", "347000842_27": "「――っ!?」", "347000842_28": "(マリア……、\\n 私の歌に合わせて……)", "347000842_29": "「ウソ!? マリアさんもホーリーソングを使えるの?」", "347000842_30": "「違う……これは、アガートラームが\\n 2人のフォニックゲインを調律しているのかッ!?」", "347000842_31": "(マリアの歌声が重なっていく……。\\n 1人で唄っているときと違う、この温かさは……)", "347000842_32": "「こっちの『歌』ってのもちょっと知りたくなってきたな」", "347000842_33": "「では……、これが終わった後にでも」", "347000842_34": "「2人とも動けるのか?」", "347000842_35": "「なんでだろうな。この歌を聴いてたら、\\n 身体の震えが少しだけマシになったんだよ」", "347000842_36": "「本調子とは言えませんが、\\n 足手まといにはなりません」", "347000842_37": "「そんな、バカな……」", "347000842_38": "「よし、みんな揃ってここから抜け出すんだ!」", "347000842_39": "「ええ、任せてッ!」", "347000842_40": "「私もみんなのために――!」", "347000842_41": "「今まで力になれなかった分、ボクも頑張るから!」", "347000842_42": "「一気呵成に行くぞッ!」" }