{ "344000521_0": "「はあ……はあ……、\\n チッ、手強いな……」", "344000521_1": "「ハッハッハッハッハッ! 他愛ないな。\\n やはりこいつの力は最高だ」", "344000521_2": "「ぐッ……」", "344000521_3": "「ドヴァリンさんを、足蹴に……」", "344000521_4": "「その方を解放してくださいッ!」", "344000521_5": "「んん?」", "344000521_6": "「力を使わされて、苦しんでいます」", "344000521_7": "「あなたに少しでも人としての優しさがあるなら、\\n もうこれ以上――」", "344000521_8": "「は――ッ! 『優しさ』ときたか」", "344000521_9": "「教えてくれ。優しさがなんの役に立つ?」", "344000521_10": "「そんなもので、絶対的な力にどう抗うとッ!?」", "344000521_11": "「……」", "344000521_12": "「答えられないようだな」", "344000521_13": "「そんなことはありませんッ!\\n わたしは、その方を救いに来たんですッ!」", "344000521_14": "「笑わせるなッ! 他ならぬこのドヴァリンが、\\n 貴様らを拒み、攻撃したのを忘れたのか?」", "344000521_15": "「――ッ!」", "344000521_16": "(そうだ……、その隙を突かれて、わたしたちは\\n スヴァフラーメに包囲されてしまった……)", "344000521_17": "(わたしがドヴァリンさんを助けようとしなければ、\\n こんな窮地に追い込まれることもなかったのに)", "344000521_18": "(わたしのせいで……)", "344000521_19": "「言っておくが、\\n 私がこいつを無理やり従わせているわけではないぞ」", "344000521_20": "「こいつは、自分の意志で力を使っているのだ」", "344000521_21": "「初めから、あんたとドヴァリンは\\n グルだったってわけか?」", "344000521_22": "「クク……協力関係と言ってもらおうか」", "344000521_23": "「こいつは人間を憎んでいる。その強い呪いの力をもって、\\n 聖遺物、魔剣ティルヴィングを生み出した」", "344000521_24": "「そして、今なお呪いのエネルギーを生み、\\n 魔剣に注ぎ続けている」", "344000521_25": "「私はその魔剣の欠片をコアとし、\\n 兵器スヴァフラーメを生み出したのだ」", "344000521_26": "「人間に憎しみを振りまきたいこいつと、兵器を手に入れたい私。\\n ウィンウィンの関係だとは思わないか?」", "344000521_27": "「魔剣ティルヴィング……その聖遺物が、あの兵器の\\n エネルギーを生んでいるんだ……」", "344000521_28": "「嘘だッ!」", "344000521_29": "「ドヴァリン、あんたは、\\n 誰よりも優しいやつだったじゃないかッ!」", "344000521_30": "「オレはあんたから多くのことを学んだ。そんなあんたが\\n 禁忌に手を染めて魔剣を作るなんて……」", "344000521_31": "「そいつは……ドヴェルグ族かッ!?」", "344000521_32": "「だったらどうしたッ!\\n オレはドヴェルグ族のヴェイグッ!」", "344000521_33": "「ハッハッハッハッハッ! 最高だッ!\\n 欲しい、欲しいぞッ! 便利な道具はいくつあってもいいッ!」", "344000521_34": "「な――ッ!?」", "344000521_35": "「奴らを攻撃し、ドヴェルグ族を捕らえろ」", "344000521_36": "「無駄だッ! ドヴァリンはオレの仲間だぞ。\\n オレのことを攻撃するなんて――」", "344000521_37": "「……」", "344000521_38": "「――ッ!\\n オレのことが、わからないのか……?」", "344000521_39": "「問答はここまでだ。このままここでやりあっても\\n 勝ち目は薄い。なんとか島の外の安全域まで撤退するぞッ!」", "344000521_40": "「はいッ!」", "344000521_41": "「わかりました……ッ!」" }