{ "343000121_0": "――数時間後――", "343000121_1": "「うーん、たくさん遊んだゾッ!」", "343000121_2": "「振り回されるこっちの身にもなれよ」", "343000121_3": "「ミカの派手な遊びっぷりはさすがだな」", "343000121_4": "「私たちもなんだかんだ楽しんでしまいましたわね」", "343000121_5": "「マスターッ! \\n マスターはどうだった?」", "343000121_6": "「目新しい……と言えばいいのか、\\n 変なものばかり見かけたな」", "343000121_7": "「ライオンだのペリカンだの……。\\n こんなんじゃ、何か紛れ込んでもわからんだろう」", "343000121_8": "「次はミカも見回りを手伝うんだゾッ!」", "343000121_9": "「いらん。\\n 見回りくらいオレだけで事足りる」", "343000121_10": "「それじゃ、あたしたちは何をしていましょう?\\n 見回るマスターの応援とか?」", "343000121_11": "「黙ってその辺にいればいいと言ったはずだ」", "343000121_12": "「申し訳ございません、マスター」", "343000121_13": "「仕方がない。\\n 地味に過ごすことにするか」", "343000121_14": "「…………」", "343000121_15": "「邪魔をするよ、お楽しみのところ。\\n 起きてしまったんだ、困ったことが」", "343000121_16": "「チッ……」", "343000121_17": "「なんだ? 厄介事はごめんだぞ」", "343000121_18": "「パーク内に紛れ込んでしまったようなんだ、\\n はぐれ錬金術師がね」", "343000121_19": "「しかも、いないときている。\\n 頼みの綱のサンジェルマンたちが」", "343000121_20": "「見つけ出して対処してほしいんだ、\\n その錬金術師を」", "343000121_21": "「……どんな奴だ?」", "343000121_22": "「まだわからないんだ、なかなかしっぽが掴めなくてね」", "343000121_23": "「……紛れ込んだと知っているのだから、\\n 少しは情報があるんだろう?」", "343000121_24": "「これでもここは厳重に管理された場所だよ。\\n 一般の者の目に留まったら大変だからね」", "343000121_25": "「それを、掻い潜れるだけの力を持った者ということくらいかな」", "343000121_26": "「可能性があるんだよ。\\n 君くらいの力を持っているかもしれないというね」", "343000121_27": "「ふん、そんなのありえないな」", "343000121_28": "「そう思うよ、僕もね。\\n だけど、すべきだろう。警戒は」", "343000121_29": "「脅威になりえるからね、未知の者は」", "343000121_30": "「……はあ」", "343000121_31": "「頼みたかったんだけどね、サンジェルマンたちに。\\n でもよかったよ、代役がいて」", "343000121_32": "「…………」", "343000121_33": "「やってくれるだろう?」", "343000121_34": "「……ああ、面倒だが仕方ない」", "343000121_35": "「頼んだよ、僕はまだ仕事があるからね」", "343000121_36": "「はあ、頭痛がしてきたぞ……」", "343000121_37": "「いかがなさいますか、マスター?」", "343000121_38": "「あいつが下手に動けば更に面倒が増えるのは目に見える。\\n オレがやるしかないだろう」", "343000121_39": "「では、問題の錬金術師を探しましょう」", "343000121_40": "「簡単に言いますけど、情報が何もないのに\\n どうやって探すんですかー?」", "343000121_41": "「この施設は広い。\\n 手分けして探してみるのはどうだ?」", "343000121_42": "「それがいいだろうな。\\n オレは1人で十分だ、お前たちは2人1組で――」", "343000121_43": "「貴様がキャロル・マールス・ディーンハイムだな」", "343000121_44": "「なんだ、お前は……?」" }