{ "332000811_0": "嘆きのドールハウス", "332000811_1": "「アナベル人形ッ!?」", "332000811_2": "(触っちゃダメッ!!)", "332000811_3": "「あ、危なかった……」", "332000811_4": "「触ってたら、今度はわたしが呪われてたよ……」", "332000811_5": "「えッ? 人形が――」", "332000811_6": "「人形が……あの子に……?」", "332000811_7": "(もしかして人形とあの子は、同一の存在……)", "332000811_8": "(でも……なら、どうして?\\n あの時、わたしは人形を触ろうとして……)", "332000811_9": "(そのままだったら、\\n 呪いをかけることだってできたはずなのに……)", "332000811_10": "「…………」", "332000811_11": "「ッ!?」", "332000811_12": "(何か仕掛けてくる?)", "332000811_13": "(え……しゃがんだ? 何かを拾って――)", "332000811_14": "「…………」", "332000811_15": "「あッ、それは――」", "332000811_16": "「響の人形……?」", "332000811_17": "「見つけて……くれたの?」", "332000811_18": "「…………」", "332000811_19": "(渡そうとしてくれてる。だけど――この子がアナベル人形なら、\\n 罠なのかもしれない……)", "332000811_20": "(受け取ろうと触ったら、わたしに呪いを……)", "332000811_21": "「…………」", "332000811_22": "「あ……ッ」", "332000811_23": "(悲しそうな顔……傷つけちゃった……?)", "332000811_24": "(こんな時、響なら……)", "332000811_25": "「…………」", "332000811_26": "(……きっと、響なら躊躇わないはず)", "332000811_27": "「……ッ!」", "332000811_28": "「……ありがとう。\\n これ、わたしの大事なものなの」", "332000811_29": "「映像、繋がりましたか?」", "332000811_30": "「OK、バッチリだよ」", "332000811_31": "「しかし、さっきの穴は一体なんだったんデス?」", "332000811_32": "「なんらかの特殊な仕掛けか、館の主の罠ではないでしょうか」", "332000811_33": "「未来さんが落ちた途端に閉じたことから、\\n 個別に狙ったものだと思われます」", "332000811_34": "「どうして……?」", "332000811_35": "「理由はわかりませんが、\\n アナベル人形に狙われているのだと思われます」", "332000811_36": "「それなら早く助けないとッ!」", "332000811_37": "「こんな床くらいッ!\\n イガリマの鎌にかかれば豆腐も同然デスよッ!」", "332000811_38": "「はあ――ッ!!」", "332000811_39": "「なッ!? この床、とんでもなく硬いデスよッ!!」", "332000811_40": "「ほとんど傷も付いてない……」", "332000811_41": "「でも、何度も繰り返せば――」", "332000811_42": "「いえ、それよりもこちらでマッピングしていたデータがあります」", "332000811_43": "「わたしたちがナビゲーションするわ」", "332000811_44": "「下の階に進むなら、その方が早いと思う」", "332000811_45": "「わかりました」", "332000811_46": "「よろしくお願いするデスッ!」", "332000811_47": "「――ッ!?\\n 切ちゃん、気をつけてッ!」", "332000811_48": "「人形どものお出ましデスッ!」" }