{
"101000911_0": "兆しの行方は",
"101000911_1": "「………………」",
"101000911_2": "(完全聖遺物の起動には相応の『フォニックゲイン』が必要だと\\n フィーネは言っていた)",
"101000911_3": "(あたしがソロモンの杖の起動に半年もかかずらったことを、\\n あいつはあっという間に成し遂げた)",
"101000911_4": "(そればかりか、無理矢理力をぶっ放してみせやがったッ!\\n ――バケモノめッ!)",
"101000911_5": "(……このあたしに身柄の確保をさせるくらい、\\n フィーネはあいつにご執心ってわけかよ)",
"101000911_6": "(フィーネに見捨てられたら、あたしは……)",
"101000911_7": "(………………。\\n そしてまた、あたしはひとりぼっちになるわけだ)",
"101000911_8": "「――ッ! ……気配を消してご登場かよ」",
"101000911_9": "「ふふ……」",
"101000911_10": "「分かっている。自分に課せられたことくらいは」",
"101000911_11": "「こんなもんなんかに頼らなくても、\\n あんたの言うことくらいやってやらぁッ!」",
"101000911_12": "「『ソロモンの杖』を私に返してしまって、\\n 本当に良いのかしら?」",
"101000911_13": "「あいつよりも、あたしの方が優秀だってこと見せてやるッ!\\n あたし以外に力を持つ奴は全部この手でぶちのめしてくれるッ!」",
"101000911_14": "「それが、あたしの目的だからなッ!」",
"101000911_15": "「はッ! ふッ!」",
"101000911_16": "(……暴走するデュランダルの力。\\n 何もかも全部を壊したくなる、あの強烈な衝動――)",
"101000911_17": "(怖いのは、それを制御できないことじゃない。それを\\n 人に――あの子に向けて、ためらいもなく振り抜いたこと)",
"101000911_18": "(――わたしが、いつまでも弱いばっかりにッ!)",
"101000911_19": "「そうだッ! 拳に思いを乗せ、真っ直ぐに突き出せッ!\\n ラストッ! 大地すらねじ伏せる渾身の一撃を叩き込めッ!」",
"101000911_20": "「はい、師匠ッ!\\n ――はああぁッ!」",
"101000911_21": "「よし、サンドバッグ打ちはここまでッ!\\n ごくろうだったな。そろそろ休憩にするか?」",
"101000911_22": "「はあ……、はあ……師匠ッ!\\n まだですッ! 続きをお願いしますッ!」",
"101000911_23": "「響くん……。よし分かったッ!\\n 次はシミュレータに行くぞッ!」",
"101000911_24": "「はいッ!」",
"101000911_25": "(わたしは、ゴールで終わっちゃダメだッ!\\n もっと遠くを目指さないといけないんだッ!)",
"101000911_26": "(もっと遠くへ……遠くへッ!)"
}