{ "357000312_0": "「逃げ回るのもいい加減にしろッ!」", "357000312_1": "「アウチ!?」", "357000312_2": "「追い詰めたよ……もう観念しろ!」", "357000312_3": "「く……こいつはマジのピンチってやつかー?」", "357000312_4": "「こいつでしまいだッ!」", "357000312_5": "「――! うぅ……」", "357000312_6": "「くそ……またか……」", "357000312_7": "「おいッ、大丈夫かッ!?」", "357000312_8": "「チャンス!\\n 迷惑客の対応だ、スタッフ〜♪!」", "357000312_9": "「ベチャ!」", "357000312_10": "「させるかあッ!」", "357000312_11": "「ベチャーー!!」", "357000312_12": "「クリスちゃん、大丈夫ッ!?」", "357000312_13": "「ああ、こっちはなんとかなったが……」", "357000312_14": "「むぅ、ミュージック邪面には逃げられたか……」", "357000312_15": "「ごめん、壁があってここからじゃ追えなかったよ……」", "357000312_16": "「仕方ない。それに、こっちも放っておけないしな……」", "357000312_17": "「く……悪いな、俺たちのせいで……」", "357000312_18": "「うん、急に力が抜けて……」", "357000312_19": "「仕方ないですよ。\\n ヨドンダ音波のせいですッ!」", "357000312_20": "「けど、さっきのはどこから聞こえてきたんだ?\\n 目の前のミュージック邪面からじゃないよな」", "357000312_21": "「わからないが、なんだか嫌な予感がするぜ!」", "357000312_22": "「クリスくん、そっちの状況はどうだ?\\n 報告を頼む」", "357000312_23": "「画面から出てきた変なチケットを受け取ったやつが\\n 操られたように移動し始めたッ! しかも、すごい人数だッ!」", "357000312_24": "「やはりそうか。分断された他の区域にいる者からも、\\n 同様の報告を受けている」", "357000312_25": "「チケットを受け取ったとおぼしき人々は、\\n どうやらコンサート会場を目指しているようです」", "357000312_26": "「不可視の壁は、コンサート会場を中心に、\\n 放射状に街を5つに分断していることがわかりました」", "357000312_27": "「なるほど。単に俺たちを分断するだけじゃなくて、\\n コンサート会場に人を集めやすくしていたのか」", "357000312_28": "「また、運よくチケットを受け取らなかった市民に対して、\\n ベチャットが無理矢理チケットを渡そうとしているみたい」", "357000312_29": "「かなり乱暴なやり方らしく、分断された他の区域からは、\\n すでに被害の報告が多数あがってきてるわ」", "357000312_30": "「だったら止めないと!」", "357000312_31": "「落ち着け、充瑠。壁を越えることはできないだろ」", "357000312_32": "「そうだぜ!\\n それに、オレたちには強い仲間がいるだろ?」", "357000312_33": "「ああ、既に各メンバーにベチャットの出現場所を伝えてある」", "357000312_34": "「良かった……!\\n ありがとうございます!」", "357000312_35": "「なら、あたしたちはこのまま会場に向かえばいいってわけだ」", "357000312_36": "「ただ、不可視の障壁は会場をぐるりと取り囲むようにも発生していて、\\n 近づくことはできても、中に入れるかどうかは……」", "357000312_37": "「突破する方法は向かいながら考えるしかない。\\n とにかく俺たちも、こっち側からコンサート会場に向かうぜ」", "357000312_38": "「はいッ! ベチャットに襲われてる人も\\n 助けながら行きましょうッ!」", "357000312_39": "「まだ敵の狙いがわからない部分もある。\\n くれぐれも気をつけてくれ」", "357000312_40": "「心配すんなよ。今までだって何度も\\n 危険を乗り越えてきただろ。今回も同じだ」", "357000312_41": "「熱いこと言ってくれるじゃねーか!\\n 充瑠とお前がいれば、どんな相手にも負けないぜ!」", "357000312_42": "「話がまとまったところで、行くとするか。\\n しばしのお別れじゃな……」", "357000312_43": "「うん……必ずみんなで、また集合しよう……!」" }