{ "349001011_0": "姉と妹", "349001011_1": "「……ええ、マーナガルムは完全に沈黙したわ。\\n どこかの並行世界に墜ちたはずよ」", "349001011_2": "「そういうことなら、他の並行世界の協力者たちにも\\n 報告しておくべきだろうな」", "349001011_3": "「これでウロボロスの残党は消えたんでしょうか」", "349001011_4": "「……あれで終わりなわけがない」", "349001011_5": "「俺も同意見だ。マーナガルムの再築もそうだが、\\n ウロボロスに所属する曲者たちを纏められる人物がいるはずだ」", "349001011_6": "「マーナガルムでそういった人は見かけませんでした」", "349001011_7": "「なら、どこかにまだ首謀者が残っているということだな」", "349001011_8": "「まあなんにせよ、ダメージは与えられたんじゃないか。\\n あれだけデカイ艦を墜としてやったんだ」", "349001011_9": "「そうだと思いたいわね」", "349001011_10": "「まったく。本当は沈めるんじゃなくて、\\n 確保したかったのに……」", "349001011_11": "「あれだけの戦いの中なら、仕方がないよ」", "349001011_12": "「わかってるわ。まあ、呪いを解く手がかりが\\n 見つかったらラッキーくらいだったから、別にいいんだけど」", "349001011_13": "「ねえ、マリアちゃん。\\n その呪いっていうのは何?」", "349001011_14": "「……あッ!? い、いや、今のはね、違うの。\\n ただの言い間違いで――ッ!」", "349001011_15": "「もう隠さなくていいんじゃないかな。\\n だって、この子には話したんだよね?」", "349001011_16": "「なんで知ってるのよッ!?」", "349001011_17": "「帰ってくる途中で、\\n いろいろとお話ししたんです」", "349001011_18": "「同じわたし同士、仲良くなることができましたッ!」", "349001011_19": "「秘密を知ってる人は少ないほうがいいんだけど」", "349001011_20": "「……まあ、この人たちなら話してもいいわね」", "349001011_21": "「というのが、わたしにかけられた呪いよ」", "349001011_22": "「身体が成長しない呪いなんてあるんだね」", "349001011_23": "「ボクの知る限りでは、\\n そういった呪いや伝承は思い当たりません……」", "349001011_24": "「いいのよ、そう簡単に手がかりが見つかるとは思ってないから」", "349001011_25": "「それに最初から心に決めてるもの。\\n 解除方法が見つかるまで探し続けてやる、ってねッ!」", "349001011_26": "「また自信たっぷりに答えたな」", "349001011_27": "「わたしたちが出会ったばっかりのときは\\n こんな感じだったよ?」", "349001011_28": "「何よ、こんな感じってッ!\\n わたしは年上なんだからもっと敬って――」", "349001011_29": "「……マリア姉さんッ!」", "349001011_30": "「うわあッ!?」", "349001011_31": "「ちょ、ちょっと、何やってるのよッ!?\\n 降ろしなさいッ!」", "349001011_32": "「わたしはマリア姉さんが大好きッ!\\n 小さくても大きくても、そんなの関係ないよッ!」", "349001011_33": "「急に何ッ!?」", "349001011_34": "「みんなの前でこんなことしないで。\\n いいから早く降ろしてッ!」", "349001011_35": "「いいなー。次、わたしッ!」", "349001011_36": "「じゃあ、その次はアタシがやりたいデースッ!」", "349001011_37": "「ずるいぞ、暁ッ! 立花の次はわたしだッ!」", "349001011_38": "「正気なのッ!?」", "349001011_39": "「勝手に決めないでッ!\\n あーもうッ! 子供扱いしないでって言ってるじゃないッ!」" }