{ "308000711_0": "迷宮からの声", "308000711_1": "「……こちらに来ると、よりはっきりと聞こえるな」", "308000711_2": "(やはりこれは、助けを求めている……)", "308000711_3": "「何故わたしなのか。それにどうしてわたし自身、\\n この声がこんなに気になるのかわからない……だがッ!」", "308000711_4": "「わたしがやるべきことならば、身命を賭して行うまでッ!」", "308000711_5": "「Imyuteus amenohabakiri tron――」", "308000711_6": "「このギアをエルフナインは呪いと言ったが――」", "308000711_7": "「はぁ――ッ!」", "308000711_8": "(やはり……こちらでは普段以上に力を発揮できている。\\n つまり、このギアはこの場所において力を発揮する局地型ッ!)", "308000711_9": "「この場所で戦うのに、これほど相応しい装束も無いッ!」", "308000711_10": "「ええッ!? 翼さんがいなくなったッ!?」", "308000711_11": "「はい……通信機の信号が最後に確認されたのが、\\n あの社付近だったので、恐らくはまた向こうに……」", "308000711_12": "「全く、翼も手間をかけさせてくれるな……」", "308000711_13": "「す、すぐに助けにいかないとッ!」", "308000711_14": "「待ってください。付加されている呪いが\\n わかっていない状況でいくのは危険です」", "308000711_15": "「だけど、1人になんてしておけねーだろッ!」", "308000711_16": "「だったらわたしが翼を追うわ。\\n 呪いを調べるなら1人いれば充分でしょう?」", "308000711_17": "「マリアさん……確かにそうですが……」", "308000711_18": "「だったらアタシもいくデスッ!」", "308000711_19": "「わたしもッ!」", "308000711_20": "「それはダメよッ!」", "308000711_21": "「そんな、どうして……?」", "308000711_22": "「呪いを受ければわたしと同じように、\\n 外ではまともに戦えなくなってしまうからよ」", "308000711_23": "「幸いこの振袖型は、あの空間でなら力を発揮できるみたいだし」", "308000711_24": "「調と切歌は、あの空間にはいかないほうが良いわ。\\n 当然クリスもね」", "308000711_25": "「マリアくんの言うことは最もだ」", "308000711_26": "「呪いの調査は最優先だが、\\n そのために戦力を低下させるわけにはいかない」", "308000711_27": "「とは言え、翼を1人にするのも危険だ……」", "308000711_28": "「決まりみたいね」", "308000711_29": "「ちッ! 今回は完全に蚊帳の外ってわけか」", "308000711_30": "「そんなわけないでしょ。あなたたちがこっちにいるからこそ、\\n 翼やわたしが無茶できるのよ」", "308000711_31": "「…………」", "308000711_32": "「マリアさん、\\n 呪いの調査が終わったらわたしも援護にいきますッ!」", "308000711_33": "「無理に2人で解決しようとはしないでくれ。\\n 何が起こるかわからない以上、慎重な行動を心がけるように」", "308000711_34": "「ええ」", "308000711_35": "「マリア……気を付けるデスよッ!」", "308000711_36": "「早く戻って来てね」", "308000711_37": "「調、切歌、こっちのことは任せたわよ。\\n クリスも、2人をお願い」", "308000711_38": "「ああ……」" }