{ "306001042_0": "「は――ッ!」", "306001042_1": "「もう1体ッ!」", "306001042_2": "「これで……ッ!」", "306001042_3": "「……ふう。セレナ、遅いわね」", "306001042_4": "(マムはあまり長話をしない人だし……\\n こちらでも同じよね、多分。セレナは何を)", "306001042_5": "(……迎えにいこうかしら)", "306001042_6": "「セレナ、ここにいたのね。\\n なかなか来ないからどうしたのかと……」", "306001042_7": "「…………」", "306001042_8": "「……セレナ?」", "306001042_9": "「あ……マリア……姉さん……」", "306001042_10": "「いったいどうしたの……セレナ」", "306001042_11": "「実は、マムから……」", "306001042_12": "「――ううん、違うの。F.I.S.の方から指令があって、\\n 囮でネフィリムを誘き寄せるっていう作戦命令があったの……」", "306001042_13": "「囮って……ッ! ネフィリムは聖遺物を食べるのよッ!\\n あなたに餌になれって事ッ!?」", "306001042_14": "「そんな事はさせない、わたしがマムに――ッ!」", "306001042_15": "「待って、姉さんッ! お願いッ!」", "306001042_16": "「どうして止めるのッ!?」", "306001042_17": "「マム……辛そうな顔してた……\\n だから……」", "306001042_18": "「だからわたし……」", "306001042_19": "「……だからって。\\n やっぱりあなたにそんな危険な役目を負わせるわけには――」", "306001042_20": "「…………」", "306001042_21": "「セレナ……」", "306001042_22": "「わたしが護るわ。あなたを必ず」", "306001042_23": "「姉さんは……姉さんだよね……?\\n ずっと離れていても、わたしの大好きな……」", "306001042_24": "「……当たり前じゃない、わたしは――」", "306001042_25": "(本当の姉じゃない……ううん、本当も嘘もない。\\n あなたがわたしを姉と言ってくれるなら――)", "306001042_26": "「わたしは、あなたの姉よ。どんなに離れていても、\\n あなたのことが大好きな、あなたの姉なんだから……」", "306001042_27": "「だったら、わたしは大丈夫。マリア姉さんがいてくれたら、\\n わたしはなんだって出来るもの」", "306001042_28": "「全く、そんなに震えて……。\\n わたしの前で強がりはいらないわ」", "306001042_29": "「強がりなんかじゃ……」", "306001042_30": "(わたしはセレナを危険な目に合わせたりなどしない、絶対に。\\n たとえ――……)" }