{ "306000832_0": "「お帰りなさい、姉さんッ!」", "306000832_1": "「ただいま、セレナ」", "306000832_2": "「そんなに抱きつかないの。わたしは風鳴司令と話があるから、\\n 少しだけ待っていてくれるかしら」", "306000832_3": "「……うん、わかった」", "306000832_4": "「すぐだから。その間、セレナをお願い」", "306000832_5": "「セレナは預かったデスッ!」", "306000832_6": "「誘拐でもしてるみたいな言い回しだよ、切ちゃん」", "306000832_7": "「それじゃあ、本部を案内するね」", "306000832_8": "「お願いします。ここはとっても広いから、\\n もっと見てまわりたかったんです」", "306000832_9": "「じゃあ、さっそくいくデスよッ!」", "306000832_10": "「……マリアくん、話というのは」", "306000832_11": "「セレナを、このままこちらに置く事を認めてもらえないかしら」", "306000832_12": "「それは、一時こちらで保護するという事か?」", "306000832_13": "「いいえ、一時ではなく恒久的に、\\n わたしたちの世界に移住させるという意味よ」", "306000832_14": "「なんだと……ッ!? マリアくん、本気かッ!?」", "306000832_15": "「もちろん、本気よ。向こうは、\\n セレナのいる世界では戦える装者はあの子しかいないわ」", "306000832_16": "「ネフィリムを倒すまでわたしたちが協力したとしても、\\n あの子1人に全て背負わせるなんて……ッ!」", "306000832_17": "「マリアくん、それは……」", "306000832_18": "「仮にこちらが認めたとして、セレナくんの世界はどうなる?」", "306000832_19": "「装者を完全に失えば、ノイズ対策も満足に出来なくなるだろう。\\n あちらの世界が今後どうなるか、想像できない君ではあるまい」", "306000832_20": "「そうして、セレナくんに全てを捨てさせるつもりなのか?」", "306000832_21": "「……だったらッ!\\n ――わたしが、向こうの世界でセレナと一緒に……」", "306000832_22": "「落ち着いてください。一時的にではなく、人、\\n それも装者が移住というのは、ボクも賛同しかねます」", "306000832_23": "「――ッ!」", "306000832_24": "「互いの世界への影響があまりにも大きすぎます……。\\n 冷たいようですが……ごめんなさい」", "306000832_25": "「……それでも、わたしは――」" }