{ "322000111_0": "冒険の始まり", "322000111_1": "「しかし、随分と薄暗い所だな……」", "322000111_2": "「そうね。何もこんな住み心地の悪そうな場所にアジトを\\n 作らなくてもいいのに」", "322000111_3": "「まったくだ。それゆえ何があるかわからない。\\n 目が慣れるまでは四方に注意しながら進もう」", "322000111_4": "「何を考えてるかわからないから、\\n 何をしてくるかもわからないってことね」", "322000111_5": "「ああ。距離を見通すことができない場所は、敵にとって\\n 絶好の場所。警戒しすぎるということはないだろう」", "322000111_6": "「侵入者に対してどれだけ想定しているかにもよるけれど、\\n 罠には注意したほうがいいかもしれないわ」", "322000111_7": "「そうだな。罠の混乱に乗じて一気に討つ、戦の定石だ」", "322000111_8": "「戦とは違う気がするけど、\\n どちらにしても、注意して進みましょう」", "322000111_9": "「ああ」", "322000111_10": "「やたらめったら暗いデスね」", "322000111_11": "「そうだね」", "322000111_12": "「痛ッ!?」", "322000111_13": "「クリス先輩、そっちは壁デス」", "322000111_14": "「おいおい、これじゃ何も見えないだろ。\\n なんか明るくするアイテムとか無いのか?」", "322000111_15": "「ん~、無くはないデスけど。\\n まだ使うのはもったいないデス」", "322000111_16": "「今は敵がいるわけでもないですからね」", "322000111_17": "「そんなこと言って、\\n ごっそり温存したまま終わるパターンじゃないか」", "322000111_18": "「それならそれでいいと思います。\\n とにかく進みましょう」", "322000111_19": "「そうデスよ。\\n 終わりよければすべてよしデス」", "322000111_20": "「ちッ、しょうがないな……わかったわかった。\\n このまま行くかッ!」", "322000111_21": "「でも突っ走ったらダメデスよ?」", "322000111_22": "「何も無い道がひたすら続くなんて考えられない」", "322000111_23": "「わかってるって。もうすぐなんかありそうだから、\\n お前らこそ警戒しとけよ」", "322000111_24": "「…………」", "322000111_25": "「…………」", "322000111_26": "「……静かだな」", "322000111_27": "「ええ。だけど、間違いなくこの奥にいるはずよ」", "322000111_28": "「わたしたちを待ち構えているということか……。\\n ――むッ、殺気ッ!」", "322000111_29": "「くッ!? 気づかれたかッ!\\n しかし、なぜ?」", "322000111_30": "「それよッ! 足元に赤外線が張ってあるわッ!」", "322000111_31": "「気配まで感じ取りながら対応できないとは……不覚ッ!」", "322000111_32": "「反省するのは後回し、行くわよッ!」" }