{ "105001031_0": "「どうやら城外の不細工は、巨大なエネルギーの塊であり、\\n そいつをこの依り代に宿すことが、儀式のあらましの様だな」", "105001031_1": "「祭壇から無理に引き剥がしてしまうと、\\n 未来さんを壊してしまいかねません」", "105001031_2": "「面倒だが、手順に沿って儀式を中断させるより他に無さそうだ」", "105001031_3": "「…………」", "105001031_4": "「どうした?」", "105001031_5": "「フフ……意外だな、と思って……、\\n ボクはまだ、キャロルのことを全然知らないんですね」", "105001031_6": "「そうじゃないッ!\\n 気に入らない連中に、貸しを押しつけるチャンスなだけだッ!」", "105001031_7": "「はい」", "105001031_8": "「さて。\\n 連中も、おっとり刀で駆けつけてきたようだな……」", "105001031_9": "「こちらも取り掛かるぞ」", "105001031_10": "「――ふッ!」", "105001031_11": "「各員、チフォージュ・シャトーに取りつき成功ッ!」", "105001031_12": "「これより作戦行動を開始しますッ!」", "105001031_13": "「――ッ!」", "105001031_14": "「完成したLiNKERと昨日までの訓練はッ!」", "105001031_15": "「きっと今日の為にあったのデスッ!」", "105001031_16": "「古来より、人は世界の在り方に神を感じ、\\n しばしば両者を同一のモノと奉ってきた」", "105001031_17": "「その概念にメスを入れるチフォージュ・シャトーであれば\\n 攻略も可能だ」", "105001031_18": "「これも一種の哲学兵装……、\\n ですが、今のシャトーにそれだけの出力を賄うことは――」", "105001031_19": "「無理であろうな。だが、チフォージュ・シャトーは\\n 様々な聖遺物が複合するメガストラクチャ」", "105001031_20": "「であれば、他に動かす手段は想像に難くなかろう」", "105001031_21": "「――ッ!?」", "105001031_22": "「フォニックゲイン……」", "105001031_23": "「想定外の運用ゆえに動作の保証はできかねるが――」", "105001031_24": "「やれるッ! やってみせるッ!」", "105001031_25": "「あの頃よりも強くなったアタシたちを、\\n 見せつけてやるデスよッ!」", "105001031_26": "「……ッ!」", "105001031_27": "「それでも、これだけ巨大な聖遺物の起動となると、\\n 5人がかりでも骨が折れそうだ」", "105001031_28": "「ああ。だが、わたしたちには命の危険と引き換えに、\\n フォニックゲインを引き上げるすべがある――」", "105001031_29": "「絶唱があるッ!」", "105001031_30": "「……ッ!」", "105001031_31": "「……ッ!」", "105001031_32": "「準備はできているな?\\n 行くぞッ!」", "105001031_33": "「……ッ!」", "105001031_34": "「……」", "105001031_35": "「くううう――ッ!」", "105001031_36": "「フォニックゲイン、飛躍的に爆発ッ!\\n ですがッ!」", "105001031_37": "「チフォージュ・シャトーからの反応、未だ確認できませんッ!」", "105001031_38": "「――くッ!」", "105001031_39": "「うわあああああ……」", "105001031_40": "「上昇した適合係数が、\\n バックファイアを軽減してくれているが……ぐッ!」", "105001031_41": "「それでも、長くはもたないわよッ!」", "105001031_42": "「何故だ……何故、反応しない……チフォージュ・シャトー……」", "105001031_43": "「わたしたちの最大出力をもってしても、\\n 応えるに能わずとでもいうのか……」", "105001031_44": "(連中のフォニックゲインは、オレほどでなくとも、\\n 仲間と相乗することで膨れ上がるはず……)", "105001031_45": "(だのに、なぜ1人が欠けているだけで……)", "105001031_46": "「もしか、それはッ――」", "105001031_47": "「こっちはこっちで……」", "105001031_48": "「そのまま逃げていればいいものを、そっちからやって来たという\\n ことは、余程の理由があるのか、戦う力を手に入れたか……」", "105001031_49": "「その両方よッ!」" }