{ "105000821_0": "「……あ……、\\n あッ……まさか……ここはッ!」", "105000821_1": "「お帰りなさいませ、ご主人様ッ!」", "105000821_2": "「あなたたちッ!?」", "105000821_3": "「キャハハッ!\\n 日本に来たのなら、一度言ってみたかったんだゼッ!」", "105000821_4": "「ここは……チフォージュ・シャトー……」", "105000821_5": "「よッ!」", "105000821_6": "「――うわッ!」", "105000821_7": "「いけないであります。客人は丁重に扱わないと……」", "105000821_8": "「次からはそうさせてもらうゼ」", "105000821_9": "「むー、であります……」", "105000821_10": "(考えなきゃ……今何が起きているのかを……、\\n ここに連れて来られるまでに何が起きたのかを……)", "105000821_11": "「はぁ、はぁ、はぁ……」", "105000821_12": "「あ……ッ! ――いけないッ!」", "105000821_13": "「エルフナインちゃんッ! 大丈夫?」", "105000821_14": "「――ッ!?」", "105000821_15": "「エルフナインってのは、そっちのどんくさい方だろ?\\n それでも、ちょこまかと逃げ回ってくれたもんだゼ」", "105000821_16": "「く……友達には手を出させない」", "105000821_17": "「だめですッ! 未来さんッ!」", "105000821_18": "「ヘッヘッヘ……」", "105000821_19": "「はッ!?」", "105000821_20": "「こうも簡単に、お前を本部の外に連れ出せるとはな……ククク」", "105000821_21": "「なんであなたがッ!?」", "105000821_22": "「確保を命じられたのは、エルフナイン、ただ1人……、\\n さて、あんたの扱いを、ウチ1人じゃ決めあぐねるゼ」", "105000821_23": "「ぴんぽんぱんぽーん」", "105000821_24": "「ヴァネッサ」", "105000821_25": "「ミラアルクちゃんに連絡です――」", "105000821_26": "「…………」", "105000821_27": "「ああ、了解したゼ」", "105000821_28": "「逃げてッ! エルフナインちゃんッ!」", "105000821_29": "「未来さん……いけませんッ!」", "105000821_30": "「悪く思わないでほしいゼ」", "105000821_31": "「エルフナインちゃんッ!」", "105000821_32": "「未来さん逃げてくださいッ!」", "105000821_33": "「ぬふぅッ!? テレビではすっかりお目にかかれなくなった\\n シーンに私、あちこちの昂ぶりをおさえきれないッ!」", "105000821_34": "「未来さん逃げてッ!」", "105000821_35": "「思いがけない……空模様……」", "105000821_36": "「きゃあああッ!」", "105000821_37": "「あ、ああ……」", "105000821_38": "「――そうだ、未来さん……」", "105000821_39": "「未来さんは、どこにいるんですかッ!」", "105000821_40": "「未来さんッ!?」", "105000821_41": "「用済みと判断された彼とは異なり、彼女はまだ生きている――\\n 生かしているであります」", "105000821_42": "「まさか、バラルの呪詛から解き放たれた、\\n 未来さんを使って……」", "105000821_43": "「…………」", "105000821_44": "「そのまさかだゼ。\\n そして、やってもらうことはお前にもあるんだゼ?」", "105000821_45": "「今はあなたが使っている、キャロルの身体を使って\\n 起動してほしいものがあります」", "105000821_46": "「キャロルのッ!? まさか、チフォージュ・シャトーをッ!?」", "105000821_47": "「それは無理ですッ!」", "105000821_48": "「たとえ起動できたとして、\\n ヤントラ・サルヴァスパもネフィリムの左腕も失われた今――」", "105000821_49": "「自在に制御することなど絶対に――ッ……」", "105000821_50": "「落ち着けって。そうじゃないんだゼ」", "105000821_51": "「あなたに起動してもらいたいのは、こちらであります」", "105000821_52": "「え……?」", "105000821_53": "「……まるで何かのジェネレーター……」", "105000821_54": "「ああッ! こ、これは……ッ!?」", "105000821_55": "「あなたたちは、一体何を企んで……」", "105000821_56": "(どこまで……墜ちていくのだろう……)", "105000821_57": "(なんとかしないと……響に心配かけちゃう……)", "105000821_58": "(そうだ……わたしは響と仲直りしなきゃいけないんだ……)", "105000821_59": "「あなたは――」", "105000821_60": "(非戦闘員の仲間を巻き込んだ今回の一件……、\\n 衝撃は大きかったはず)", "105000821_61": "(まさか、あの時、神獣鏡の光を受けた2人が、\\n 原罪を解かれた人間……)", "105000821_62": "(神の力の依り代になりうる存在だなんて……)", "105000821_63": "(それを誰もが受け止め、強い心で乗り越えようと努めている)", "105000821_64": "「ふッ!」", "105000821_65": "「……ダメだな、わたしは……、\\n 苛立つ翼に、差し伸べる手すら持っていない……」", "105000821_66": "「仲違いくらい、セレナとだってしたことがあるのに……」", "105000821_67": "(いつだって2人の間には、歌が流れていて……、\\n 仲直りするのに言葉なんていらなかったわね)", "105000821_68": "「――ッ!?」", "105000821_69": "「このフレーズ……最近どこかで聞いたような……」" }