{ "326000511_0": "深まる闇", "326000511_1": "「今戻ったわ」", "326000511_2": "「ご苦労だったな。\\n 早速で悪いが、首尾について報告を頼む」", "326000511_3": "「はい。持参したデータはマム――\\n ナスターシャ教授に無事手渡しました」", "326000511_4": "「お礼の言伝をもらってるデス。それと、内容についての\\n 私見をまとめた返信データがこれデス」", "326000511_5": "「助かる。後で解析に回そう」", "326000511_6": "「ああ、マリアたちも戻ったんだな」", "326000511_7": "「お疲れ様です」", "326000511_8": "「ちょうど今、戻ったところよ。それにしてもどうしたの。\\n みんな揃って――いえ、1人足りないわね」", "326000511_9": "「…………」", "326000511_10": "「未来さん、どうしたんですか……?」", "326000511_11": "「なんか暗い雰囲気デス……」", "326000511_12": "「……あの、ボクから説明しますね」", "326000511_13": "「ああ、頼む。\\n 最新の状況について共有しておきたい」", "326000511_14": "「わかりました。\\n それではマリアさんたちが出かけた後のことから――」", "326000511_15": "「――といったのが今の状況です」", "326000511_16": "「なんてこと……暴走に、瘴気?\\n そんなことになっていたなんて……」", "326000511_17": "「心配……」", "326000511_18": "「すぐにでも助けたいデス……」", "326000511_19": "「……ありがとう」", "326000511_20": "「そうしたいのはやまやまなんだけどな。\\n あいつの方の都合なのか、今はどうもダメみたいなんだ」", "326000511_21": "「あの子の意思、ね……。\\n 疲労による危険が原因なら、わたしたちも厳しいわね」", "326000511_22": "「うん……セレナと特訓していたから」", "326000511_23": "「ヘトヘトになるまで訓練してきたデスよ」", "326000511_24": "「……肉体的な疲れはあまりない分、まだわたしたちの方が\\n マシかもしれないな」", "326000511_25": "「そうだな」", "326000511_26": "「それなら俺が潜ろう」", "326000511_27": "「し、司令ッ! 何を言いだすんですかッ!」", "326000511_28": "「俺ならば体力的な面も、戦力的な面もクリアできると思う」", "326000511_29": "「残念ですが、それは難しいです。本当の世界ではないとはいえ、\\n 現れるノイズは響さんの認識の影響を受けています」", "326000511_30": "「これはつまり『ノイズはシンフォギアでないと倒せない』という\\n 概念が、仮想脳領域内にもあるということなんです」", "326000511_31": "「つまり、現実世界でノイズに対抗できる者でなければ、\\n 響くんの仮想脳領域内でも戦えないということか……」", "326000511_32": "「はい、そうなります。むしろ認識の世界であることから、\\n よりその性質は強く表れると思います」", "326000511_33": "「……ままならないものだな。\\n こんな時、役に立てないとは……」", "326000511_34": "「そうですね……」", "326000511_35": "「……あいつのことは、あたしらに任せてくれッ!\\n 絶対に助け出してみせる」", "326000511_36": "「すまないな」", "326000511_37": "「大したことはできませんが、\\n 仮眠室や食堂などの施設は全て開放しておきます」", "326000511_38": "「その他にも必要なものがあれば遠慮なく言ってくれていいから」", "326000511_39": "「ありがとうございます」", "326000511_40": "「響くんのこと、頼んだぞ」", "326000511_41": "「さて、精神的な疲労が原因なら、\\n そろそろ接続が可能になってもおかしくないと思うが……」", "326000511_42": "「少しだけど休めたしな。\\n コンディション的には万全に戻った感じだ」", "326000511_43": "「……響を助けに行こう」", "326000511_44": "「みなさん装置の所へ。接続を開始します」", "326000511_45": "「どうやら無事、再接続できたようだな」", "326000511_46": "「となると、やっぱりお前の推測が当たってたってことか」", "326000511_47": "「そう、なのかな……」", "326000511_48": "「まずは先ほど立花が現れたライブ会場へと向かって\\n みるとしよう。確かリディアンの門をくぐった先だったな」", "326000511_49": "「ああ、そのハズだ」", "326000511_50": "「……どうなってんだよッ!\\n ライブ会場じゃなくて校舎に入っちまったじゃないかッ!」", "326000511_51": "「この前は学院じゃなくてライブ会場に出たのに……」", "326000511_52": "「どういう理屈かは不明だが、決まった道などはないのかも\\n 知れないな……仕方ない、片っ端から探索してみよう」", "326000511_53": "「今度は森かよ……。\\n なんで寮の扉を開けたら森なんだ……」", "326000511_54": "「建物とかも関係ないんだね……」", "326000511_55": "「それだけ立花の認識が自由なのか、それともなんらかの\\n 影響で混乱しているのか、といったところだろうな」", "326000511_56": "「流石にあのバカでも、\\n ここまでわからない認識をしてはいないだろ……」", "326000511_57": "「――ッ! ノイズッ!!」", "326000511_58": "「現れやがったかッ!」", "326000511_59": "「Imyuteus amenohabakiri tron――」", "326000511_60": "「ここは押し通るぞッ!」", "326000511_61": "「――ああ、一気に片づけてやるッ!\\n ……え? ちょっ、ちょっと待てッ!?」", "326000511_62": "「翼さんが……2人ッ!?」", "326000511_63": "「わ、わたしだとッ!?\\n いや、よく見ろッ! 雪音もいるぞッ!?」", "326000511_64": "「あたしらの偽物かよッ!?」", "326000511_65": "「でもギアが……違う?」", "326000511_66": "「わたしのあれは、適合率の低いギアだな……。\\n 過去纏っていたものだ」", "326000511_67": "「あたしの方はネフシュタンの鎧か……また懐かしいものを」", "326000511_68": "「そんなんが今のあたしらの相手になるかよ。\\n ――やってやろうじゃねーかッ!!」" }