{ "302000111_0": "ギャラルホルン", "302000111_1": "「……あの運命のライブの日をわたしは今でも夢に見る」", "302000111_2": "「奏は思いっきり唄い、戦い、その命を燃やしつくし――\\n ――そして、散って行った」", "302000111_3": "「あの日からわたしは、奏を救えなかった後悔だけを胸に、\\n ひたすら剣として生きてきた……」", "302000111_4": "「しかし、皆のおかげで、今は剣としてだけではなく、\\n 片翼の翼としても、夢に向かい羽ばたくことが出来ている」", "302000111_5": "「……今のわたしを奏に見てもらいたいと思う。\\n わたし自身が誇れるようになったわたしを……」", "302000111_6": "「……奏は、今のわたしを見たら何て言うのだろう。\\n 褒めてくれるだろうか……」", "302000111_7": "「……無理なのは分かってる。\\n だけど、もし、例え夢でも逢えたなら――」", "302000111_8": "「夢で逢えたら……か。\\n 全く、我ながら女々しいものだ……」", "302000111_9": "(……わたしは、強くなれたのだろうか)", "302000111_10": "(奏がわたしを引っ張ってくれたように、立花や雪音、\\n みんなを引っ張っていけているのだろうか……)", "302000111_11": "(奏のように……か。\\n 思えば奏は、わたしには意地悪だったな)", "302000111_12": "(泣き虫、弱虫だなんてよく言われたが、今のわたしはあの頃の\\n 奏から見たら、強くなったように見えるのだろうか……)", "302000111_13": "「奏……」", "302000111_14": "(今、思い出しても、こんなにも胸が痛い……。\\n 奏がいない、奏に会えない事が苦しい……)", "302000111_15": "(奏と2人、いつまでも一緒だと思っていた)", "302000111_16": "(もっと話したい事があった。聞きたいことがあった。\\n もっと、2人で唄いたかった……)", "302000111_17": "(奏に、会いたい……)", "302000111_18": "「……いけない。\\n わたしはもう泣き虫ではいられないのだから……」", "302000111_19": "「こんな様では、奏に笑われてしまうかも知れないな……」", "302000111_20": "(奏と唄う事はもう出来ない。\\n だけど、まだわたしは、片翼でも唄う事が出来ている……)", "302000111_21": "(奏と育てた、ツヴァイウィングの片翼を羽ばたかせることが\\n できる……だから――)", "302000111_22": "「……わたしの歌、わたしたちの歌が世界中の人に届いたら、\\n きっと奏の所にも届くよね……」", "302000111_23": "「……だから、見守っていて欲しい。\\n どこまでだって、飛んでみせるから……」", "302000111_24": "「艦内聖遺物保管区画より、高質量のエネルギー反応ッ!」", "302000111_25": "「――なんだとッ! すぐに波形を照合しろッ!」", "302000111_26": "「この反応は……まさかッ!?」", "302000111_27": "「ギャラルホルン……だとッ。\\n 何故、このタイミングで……」", "302000111_28": "「みんな、良く集まってくれた」", "302000111_29": "「師匠ー。今日は一体どうしたんですか?」", "302000111_30": "「朝っぱらから緊急召集って、どっかで事故か何かでも\\n 起きたってのか?」", "302000111_31": "「……事故は、これから起こるのかも知れません」", "302000111_32": "「これから……?\\n それは一体――」", "302000111_33": "「……やはり、来たかッ!」", "302000111_34": "「そんな……どうしてアルカ・ノイズじゃなくて、\\n ノイズが……」", "302000111_35": "「バ、バビロニアの宝物庫が空いたって事デスかッ!?」", "302000111_36": "「それとも、新たな敵……?」", "302000111_37": "「説明は後だッ!\\n とにかく、ノイズの迎撃を頼むぞッ!」" }