{ "201000222_0": "「…………」", "201000222_1": "「クリスお帰りー」", "201000222_2": "「…………」", "201000222_3": "「ん? どうしたの?」", "201000222_4": "「あ、いやッ! 明かりの着いた家に帰るのって、\\n なんかいいなーって思ってよ」", "201000222_5": "(……ちょっとだけ、あのバカが羨ましく感じるな)", "201000222_6": "「んなことより、料理の方はできたのか?」", "201000222_7": "「う、うん、できたよ」", "201000222_8": "「はい、シーフードカレー」", "201000222_9": "「……はあッ!? パエリアはどうしたんだ?」", "201000222_10": "「……あのね、クリスが帰って来る前に、\\n 響から電話があって……」", "201000222_11": "「シーフードカレーが食べたいって、言ってたの……」", "201000222_12": "「それで、途中で路線変更したってことか?\\n アレンジャーが過ぎんだろッ!」", "201000222_13": "「おなじ魚介だし、もしかしたらいけるんじゃないかなーって」", "201000222_14": "「あのバカ、パエリアが食べたいんじゃなくて、\\n 魚介類が食べたかっただけなんじゃねーか?」", "201000222_15": "「まあ、せっかくだし食べてみるか」", "201000222_16": "「ど、どうぞ……」", "201000222_17": "「……味が濃いな、お米に味がついてて、\\n さらにはカレーだもんな」", "201000222_18": "「そう、だよね……」", "201000222_19": "「こんな難しいことしなくても、\\n お前が作った料理なら何でも喜ぶと思うぞ」", "201000222_20": "「そうだといいんだけど……」", "201000222_21": "「絶対そうだって、あたしが保証してやる」", "201000222_22": "「……そうだね。うん、ありがとう、クリス」", "201000222_23": "「いいって」", "201000222_24": "「さーて、あたしも腹減っちまったし、飯でも作るか」", "201000222_25": "「あ、それなら……、ねえ、クリス」", "201000222_26": "「なんだ? ……って」", "201000222_27": "「むぐッ!?」", "201000222_28": "「……これは、サンドイッチ?\\n どうしたんだ、これ?」", "201000222_29": "「クリスも戦いの後でおなか空かせてるだろうと思って、\\n 作っておいたの」", "201000222_30": "「材料が少なくてあまり大したものはできなかったんだけど……」", "201000222_31": "「でも、これなら味は保証できるから、はい、あーん」", "201000222_32": "「1人で食えるってッ!」", "201000222_33": "「たまにはいいでしょ。ほら、口を空けて? あ~ん」", "201000222_34": "「あ、あ~ん……」", "201000222_35": "「どうかな?」", "201000222_36": "「むぐ、んむ……ま、まあまあじゃねーか?」", "201000222_37": "「今日は失敗しちゃったけど、\\n 今度はもっとおいしい料理を作りに来るからね」", "201000222_38": "「また来るのか?」", "201000222_39": "「うん、クリスが良かったらだけど」", "201000222_40": "「……別にかまわねーけど」", "201000222_41": "「よかった。それじゃ、\\n また、部屋の明かり点けて待ってるねッ!」" }