{
"400000311_0": "大人たちとの共闘",
"400000311_1": "「ふん――ッ!!」",
"400000311_2": "「はぁ、はぁ、はぁ……」",
"400000311_3": "(たった5分を、こんなに長いと思ったのは初めてだ……)",
"400000311_4": "「民間人の避難状況はどうなってるッ!?」",
"400000311_5": "「ダ、ダメですッ!」",
"400000311_6": "「カルマノイズの瘴気を浴びた民間人が暴れていて、\\n 避難には、まだ時間が必要です」",
"400000311_7": "「くッ! 我々が駆け付ける前に、瘴気を浴びた者たちか……」",
"400000311_8": "(一般人は瘴気を浴びたらひとたまりもないからな……)",
"400000311_9": "「戦線と避難路が近いのも問題だな……。\\n こうなれば、この場から奴をどかすしかない」",
"400000311_10": "「ウェル博士、手を貸してくれッ!」",
"400000311_11": "「簡単に言ってくれますが、\\n こちらも奴には容易に近づけないことをお忘れなく」",
"400000311_12": "「全身をカバーできる聖遺物とは違い、僕は腕以外は\\n 生身ですからね。さすがにアレに触れたらタダじゃすまない」",
"400000311_13": "「そうだったな、お前は瘴気への耐性が……」",
"400000311_14": "「そうッ! 瘴気で正気を失うだなんてッ!\\n 高貴なる英雄の僕にはとても耐えられませんッ!」",
"400000311_15": "「最初から正気なんてあったっけ?」",
"400000311_16": "「どっちかというと瘴気で正気に戻してもらった方が\\n 良い気が……」",
"400000311_17": "「君たち、何か言ったかねッ!?」",
"400000311_18": "「い、いえッ!」",
"400000311_19": "「何も言っておりませんッ!」",
"400000311_20": "「ともかく、英雄にはすべからく弱点のひとつもあるものです。\\n アキレスの足首や、シグルドの背中の一葉と同じようにね」",
"400000311_21": "(瘴気に取り込まれて敵に回られても面倒だ。\\n やむを得んか……)",
"400000311_22": "「まあ、そうは言ってもこの僕の力が必要という状況は\\n わかりました。できる限りのことはしましょう」",
"400000311_23": "「ああ、頼んだぞッ!」",
"400000311_24": "「ひゃは――――ッ!」",
"400000311_25": "「ちょちょちょッ!? 何倍にして撃ち返す気ですかッ!?\\n この僕より目立つんじゃないッ!」",
"400000311_26": "(む。奴の意識がウェル博士に集中した)",
"400000311_27": "(でかいのを叩き込むなら、今だッ!!)",
"400000311_28": "「はああ――ッ!!」",
"400000311_29": "「どうだッ!?」",
"400000311_30": "「くそ、これでも倒しきれないのかッ!?」",
"400000311_31": "「単発の威力は大きいものの、\\n 再生不能に陥らせるには不十分、というところかしら」",
"400000311_32": "「損傷していない周囲の組織が、\\n 損傷部位の再生を即座に補っているようね」",
"400000311_33": "「威力だけでなく同時に攻撃面積も広げろと?」",
"400000311_34": "「どうも決め手に欠けるようね。\\n 私も出ましょうか?」",
"400000311_35": "「いや、結構。\\n こういうのは男の役目だ」",
"400000311_36": "「相変わらず言うことがむさ苦しいわね」",
"400000311_37": "「来なくて結構ッ!\\n あなたが来たら僕の活躍が薄くなるじゃないですかッ!」",
"400000311_38": "「そういうのはもう少し活躍してから言わないとなあ?」",
"400000311_39": "「いや、まったく」",
"400000311_40": "「やせ我慢も良いけど、支えきれなくても知らないわよ?\\n そろそろRN式回天特機装束の効果時間も迫っているはずだし」",
"400000311_41": "「おおおおおッ!」",
"400000311_42": "(くッ――確かに、な。\\n RN式回天特機装束の威力も、だいぶ弱まってきている……)",
"400000311_43": "(民間人の避難を完了させるまで保たせられるか……?)",
"400000311_44": "「いや、なんとしても保たせてみせるッ!」",
"400000311_45": "「手を貸してやろうか? おっさんッ!」",
"400000311_46": "「その声は――ッ!?」",
"400000311_47": "「救援に参上しましたッ!」",
"400000311_48": "「ずいぶんと苦労してるみたいだな」",
"400000311_49": "「君たちはッ!?」",
"400000311_50": "「窮地に助けが入るとは、これも全て僕の人徳の賜物ですねッ!」",
"400000311_51": "「はあ?\\n いや、まあ良いけどよ……」",
"400000311_52": "「2人とも、救援に感謝する」",
"400000311_53": "「いえ、当然のことです。\\n それでは、現刻より司令の指揮下に入ります」",
"400000311_54": "「では、民間人を避難させるためにカルマノイズを誘因、\\n 可能であれば撃滅したい。手伝ってくれるか?」",
"400000311_55": "「承知しました」",
"400000311_56": "「なら牽制はあたしに任せろッ!」",
"400000311_57": "「任せましたッ!\\n さあ、思う存分、やっておしまいなさいッ!」",
"400000311_58": "「なんでお前があたしに命令してるんだッ!?\\n ああああッ! くそッ、とにかくやってやるッ!」",
"400000311_59": "「無辜の民を護るために剣を揮うは防人の本懐――」",
"400000311_60": "「いざ推して参る――ッ!!」"
}