{ "325000331_0": "「みんな、おかえりなさい。\\n お好み焼き、できてるわよ」", "325000331_1": "「ありがとうございますッ!\\n お腹空きすぎて死んじゃうところでしたッ!」", "325000331_2": "「おい待て、その前にやることがあるだろ」", "325000331_3": "「お好み焼きは俺が食っといてやるから、\\n お前はやることやっとけ」", "325000331_4": "「えー、そんな……。\\n それじゃ、報告しながら食べるのはどうかな?」", "325000331_5": "「いいんじゃない?\\n 食事しながらの方が話も弾むでしょ」", "325000331_6": "「弾ませる話ではない気もしますが……、\\n わかりました。それでは、食事しながら話しましょう」", "325000331_7": "「せっかく作っていただいた食事を冷ますのも失礼だからな」", "325000331_8": "「やったーッ!」", "325000331_9": "「グリッドマン、彼女たちのことをもう少し詳しく教えてほしい。\\n あの戦闘力、装者とは一体何者なのか」", "325000331_10": "「それは、直接彼女たちから聞くといいだろう」", "325000331_11": "「頼めるか?」", "325000331_12": "「ああ、勿論だ」", "325000331_13": "「共有できる情報としては以上になります」", "325000331_14": "「か、彼女たちの強さはそういうことだったのか」", "325000331_15": "「唄いながら戦うとか、なんか面白いな」", "325000331_16": "「しかし、並行世界とはね……。\\n 別のオレたちもいたりして?」", "325000331_17": "「君たちは、そのギャラルホルンのアラートの原因である\\n カルマノイズを追ってこの世界へ来たと」", "325000331_18": "「ああ。でも、途中でアラートが消えちまって、\\n 念のため、調査に来たってわけだ」", "325000331_19": "「そして来てみたら、\\n とんでもない事態になっていたというわけです」", "325000331_20": "「なるほど、では当面の目的は、\\n 怪獣の駆除とそのカルマノイズを探すことでいいだろう」", "325000331_21": "「ほ、本当にカルマノイズというのはこの世界にいるのか?\\n アラートは消えたんだろう?」", "325000331_22": "「彼女たちもわからないみたいだし、\\n 一旦探してみる、でいいんじゃない?」", "325000331_23": "「わ、わかった」", "325000331_24": "「グリッドマンも、それでいいかい?」", "325000331_25": "「ああ、きっとそれがこの世界の危機に繋がっているはずだ」", "325000331_26": "「その前にこの街のことを、もっと調べたいと思います。\\n どうもおかしなところが多いので」", "325000331_27": "「おかしなところ?」", "325000331_28": "「怪獣が現れたというのに、いくらなんでも騒ぎが少なすぎます」", "325000331_29": "「一応警察が避難誘導はしていたみたいですけど、\\n 明らかにおかしい……」", "325000331_30": "「確かに、あたしらの世界でノイズが現れたら、\\n 騒ぎはあんなもんじゃすまないよな」", "325000331_31": "「二課やS.O.N.G.のような組織があったとしても、\\n 騒ぎをなくすことはできない」", "325000331_32": "「そのような組織の無さそうなこの世界ではなおさらだろう」", "325000331_33": "「ええ。それに、ニュースを見ても、\\n この子が巨大化して戦った話題がほとんどないの」", "325000331_34": "「なんて言えばいいのかしら。\\n この世界の人は脅威に対して鈍感すぎる気がするわ」", "325000331_35": "「脅威に鈍感……。\\n それは住人たちの覇気の薄さも関係しているのか?」", "325000331_36": "「その可能性は高いんじゃないかな」", "325000331_37": "「この世界には、私たちがまだ知り得ていない事実が\\n 隠されているのかもしれない」", "325000331_38": "「しっかし、わからないことが多すぎるな。\\n この世界はどーなってるんだ?」", "325000331_39": "「どこから整理していくか決めないとダメね。\\n ここにいるメンバーで手分けをして――」", "325000331_40": "「ふわあー……」", "325000331_41": "「大人しいと思ったら、サラウンドであくびしやがって。\\n 緊張感の欠片もないな……」", "325000331_42": "「お、起きろボラー」", "325000331_43": "「なんだよ、寝てねえって」", "325000331_44": "「立花、起きろッ!\\n 今は大事な話をしているんだぞッ!」", "325000331_45": "「はッ!? だ、大丈夫です、ちゃんと聞いてましたからッ!\\n おかわりは豚玉でッ!」", "325000331_46": "「ああ、よーくわかった。\\n 歯食いしばれ。完全に目が覚めるまで叩きのめす」", "325000331_47": "「じょ、冗談だよ、冗談ッ!\\n 重たい空気を変えようと思って言ってみただけだって」", "325000331_48": "「どっちにしろダメだろ」", "325000331_49": "「彼女のことを責めないでほしい。\\n 慣れない力を使ったせいで体力をかなり消耗しているはずだ」", "325000331_50": "「なるほど、どうりで眠たいわけだ。ふわー……」", "325000331_51": "「そういうことなら仕方がないわね。\\n どこか寝泊まりできる場所を探しましょ」", "325000331_52": "「この近くにホテルがあったはずだ。そこでどうだろう」", "325000331_53": "「なんだ、みんな泊まる場所がないのかい?\\n もしかして、あの怪獣に壊されたとか?」", "325000331_54": "「じ、実はそうなんだ……」", "325000331_55": "「なら、うちを使ってくれていいよ。\\n 狭いかもしれないけど、部屋はあるからね」", "325000331_56": "「いいんですか?」", "325000331_57": "「もちろんよ、困ったときは助け合わないとね」", "325000331_58": "「では、お言葉に甘えさせていただきます」", "325000331_59": "「ありがとうございますッ!」", "325000331_60": "(ここならグリッドマンのパソコンもあるから、\\n いざというときにすぐ対応できるものね)", "325000331_61": "「今日のところはこれくらいにして休もうか。\\n 調査は明日、改めて手分けしよう」" }