{ "323000532_0": "「穴だらけにしてやるッ!」", "323000532_1": "「ったく、ホントにタフだな。\\n あんだけ撃ち込んでやっとか……」", "323000532_2": "「周りの目もあって\\n 派手な戦いができないから余計に倒しづらいし」", "323000532_3": "「さて、一応、あいつらのところに戻ってみるか。\\n 流石に逃げてるだろうけどな」", "323000532_4": "「おお、よかった無事だったんだねー!」", "323000532_5": "「まだここにいたのか。\\n 逃げろって言ったのに、何やってんだ」", "323000532_6": "「何やってるはこっちのセリフだよ!\\n あなた、自分が何をしたのかわかってるの!」", "323000532_7": "「い、いや、あのとき動けるのはあたしだけだったし、\\n ああするのが1番だと思って」", "323000532_8": "「まあ、そんなに怒鳴るなよ。\\n あのバケモノは巻いたし、もう大丈夫だ」", "323000532_9": "「そういう問題じゃないよー!」", "323000532_10": "「助けてくれたことには感謝するけど、\\n それであなたにもしものことがあったら、あたし……」", "323000532_11": "「一緒に練習するって約束したでしょ。\\n それを簡単に破るような真似だけはしないで」", "323000532_12": "「あたしたちはもう友達なんだから。\\n 危ないときは1人じゃなくてみんなで切り抜けないとねー」", "323000532_13": "「……悪かった。もう危ない真似はしない」", "323000532_14": "「じゃあ、それも約束して。\\n そうじゃないと、安心できない」", "323000532_15": "「……ああ、約束する」", "323000532_16": "「破ったら針千本だよ〜」", "323000532_17": "「わかったよ。とにかく、今日はもう帰る。\\n またあんなのが出てきたら厄介だからな」", "323000532_18": "「あ、さっきの奴、警察に連絡したほうがいいんじゃ」", "323000532_19": "「あー、それならあたしがアイツを巻いた後に\\n 連絡しておいたから大丈夫だ」", "323000532_20": "「これはこれは、何から何までー」", "323000532_21": "「でも、本当にさっきの奴なんだったの……?」", "323000532_22": "「まいったな。\\n まさか、あんなふうに心配されると思わなかった」", "323000532_23": "「あッ、おかえり、クリスちゃん」", "323000532_24": "「おかえりなさい」", "323000532_25": "(そういや、こいつらにも似たようなこと言われたな。\\n 友達、か……)", "323000532_26": "「うーん、やっぱり本物が無いと練習にならないなー」", "323000532_27": "「さっきから指動かして何やってんだ?」", "323000532_28": "「ギターの練習だよッ!\\n 指がまだうまく動かせなくて」", "323000532_29": "「なんだ、お前もギター習ってんのか。\\n あたしもAfterglowのやつに教わってるんだ」", "323000532_30": "「クリスちゃんもギターなんだねッ!」", "323000532_31": "「Cm7―5は弾けるようになったんだけど、\\n 通しでやってると、Fで引っかかるんだよね」", "323000532_32": "「……は? なんの呪文だ?」", "323000532_33": "「Bは薬指が止まっちゃうときもあるし、\\n 細かく動かさないといけない、このコードも――」", "323000532_34": "「……うるせー、調子に乗るなよッ!」", "323000532_35": "「うわッ、ビックリしたッ!?」", "323000532_36": "「そう自慢げに言ってられるのも、今のうちだけだからなッ!」", "323000532_37": "「イライラしちゃって、どうしたんだろ。\\n お腹空いてたのかな?」", "323000532_38": "「フフ、クリスは負けず嫌いだから。\\n 2人ともいいライバルができてよかったね」", "323000532_39": "「んー?」" }