{ "321000732_0": "「おおおおおお――ッ!!」", "321000732_1": "「そこッ! 丸見えだッ!」", "321000732_2": "「なるほど、普段より夜目も利くし、\\n 闇に生きる奴らの気配や音も感じやすいみたいだな」", "321000732_3": "「ナイトストーカーと戦うヴァンパイアハンターの力ってのは\\n 伊達じゃなさそうだ」", "321000732_4": "「うん、そうだね。これならかなり戦いやすそう」", "321000732_5": "「しかもそのギアならヴラドにも攻撃がちゃんと通じるし、\\n 針の呪いも効かなくなるデスよッ!」", "321000732_6": "「えッ、切歌ちゃん、ヴラドとこのギアで戦ったの?」", "321000732_7": "「まあ、奴の分身だったみたいデスけど……」", "321000732_8": "「そのギアが3人分になったんデスから、心強いデスッ!」", "321000732_9": "「だが、奴の針を防ぐ対処法があるなら、\\n もったいぶらずに先に言えっての」", "321000732_10": "「説明しようと思っていたが、\\n 先程の襲撃のせいでしそこねたのだ」", "321000732_11": "「でも、大助かりだね」", "321000732_12": "「ん……まあ、確かにな」", "321000732_13": "「ありがとうございます、クルースニクさん」", "321000732_14": "「ヴァンパイアと戦う覚悟を持った者に協力するのが俺たちの使命。\\n 俺たちヴァンパイアハンターが生きていた証だからな……」", "321000732_15": "「はい……一緒に頑張りましょうッ!」", "321000732_16": "「よし……なら、もう少しだけ休んだら、行くぞ」", "321000732_17": "「うん、そうだね。\\n 切歌ちゃんもそれまでしっかり休んでね」", "321000732_18": "「わかったデス」", "321000732_19": "「待て、お前たち。\\n まさか、夜が明ける前に仕掛けるつもりか?」", "321000732_20": "「いくらお前たちにもハンターの力が宿ったとはいえ、\\n 夜間の奴の強さは半端ではないのだぞ?」", "321000732_21": "「ここは大人しく、日が昇るまで待つべきだ」", "321000732_22": "「いや……流石にそこまでは待てないな」", "321000732_23": "「さっきの連絡のこともある。\\n 夜が明ければこっちはゲームオーバーなんだ」", "321000732_24": "「うん。マリアさんたちが朝まではもたないって……」", "321000732_25": "「みんな……」", "321000732_26": "「だが討伐に失敗すればそこまでだと、\\n 先程お前自身が言っていただろう?」", "321000732_27": "「3人の仲間のために、みすみす大局を見失うつもりか?」", "321000732_28": "「仲間も、ロンドンの人たちも、誰1人、見捨てる気はありません」", "321000732_29": "「まだ届く可能性があるなら、手を延ばすことを諦めたりはしない。\\n ただ、それだけです」", "321000732_30": "「響さん……」", "321000732_31": "「まあ、あんたから借りた力のおかげで\\n さっきよりは勝算が上がったってのもあるけどな」", "321000732_32": "「やれやれ……説得は無駄か。\\n お前たちも、結局は暁と変わらないのだな」", "321000732_33": "「だがそれもまた、お前たちの覚悟の形というものか……」", "321000732_34": "「ならば、好きにするがいいさ」", "321000732_35": "「ありがとうございます」", "321000732_36": "「そういえばッ!\\n アタシが寝てる間、マリアたちのことで連絡はあったデスか?」", "321000732_37": "「ううん……。\\n たぶん、向こうも大変なんだと思う」", "321000732_38": "「そうデスか……」", "321000732_39": "「心配なのはわかるが、もう少しだけ休んどけ。\\n 次に出発したら、もう休む暇は無いからな?」", "321000732_40": "「……わかったデス」" }