{ "319000822_0": "(恐らくは、あの楽器になんらかの――)", "319000822_1": "(あれさえ破壊すれば、\\n 奴らの計画を未然に防ぐことができるはず――)", "319000822_2": "「邪魔をするなぁ――ッ!!」", "319000822_3": "「見事なものだわ。\\n それだけの負傷を抱えても、そこまで動けるとは」", "319000822_4": "「でも、流石にこれ以上、無闇に暴れられるのは困るわね」", "319000822_5": "「ぐッ!?」", "319000822_6": "「こッ――この音楽は、あの時、の――?」", "319000822_7": "(ならば――イグナイトで振り払うッ!)", "319000822_8": "「これで――うッ!?」", "319000822_9": "「か、身体が……動かない……」", "319000822_10": "「もうすぐ、計画は最終段階へ移行する」", "319000822_11": "「あなたの発する、そのフォニックゲインによってね」", "319000822_12": "「なに? それはどういう――」", "319000822_13": "「――ッ!? まさかッ!」", "319000822_14": "「やっと気付いたようね」", "319000822_15": "(こいつ……わたしの歌を――。\\n フォニックゲインを、利用していたのかッ!?)", "319000822_16": "「唄うのをやめようとしても、もう遅い」", "319000822_17": "「このアルモニカは、\\n 対象の中枢神経を麻痺させるだけが能力ではない」", "319000822_18": "「さあ……あなたには最後の力を振りしぼってもらうわ」", "319000822_19": "(なんだ……?)", "319000822_20": "(いつの間に、またアルカ・ノイズに囲まれている?)", "319000822_21": "(おのれ――ッ!!)", "319000822_22": "「――――ッ!!」", "319000822_23": "「フフ……踊り続けなさい、在りもせぬ敵を相手に、夢の中で」", "319000822_24": "「唄い続けなさい、籠の中の金糸雀よ。\\n その喉が張り裂けるまで」" }