{ "310000521_0": "「このシミュレータでは味わえない歯ごたえ、\\n なかなか悪くない」", "310000521_1": "「このぐらいなら、毎日の運動で健康になれる気がするデス。\\n 船長との戦いが無かったからデスけど」", "310000521_2": "「手下ばかりで、お前はパスするのか?」", "310000521_3": "「そう毎日かまってもらえると思うなよ。\\n 今日のところは、手下の鍛え直しが優先だ」", "310000521_4": "「昼はこれで終い。\\n 次の戦闘訓練まで好きにしろ」", "310000521_5": "「海賊とはもっと粗暴な荒くれ者かと思ったが、\\n 存外に話の通じる相手だな」", "310000521_6": "「掟を守ってる限りは、これといった不自由もないデス」", "310000521_7": "「つっても、こうして船で生活続けてるだけじゃ、\\n 解決とはいかないしな」", "310000521_8": "「そのうち本物の海賊になっちゃいそうデス……」", "310000521_9": "「船内は粗方調べつくしたが、\\n 原因である哲学兵装も、特定できていない」", "310000521_10": "「やっぱり、船長をぶッ倒して、掟をチャラにすれば……」", "310000521_11": "「それは高難易度に心が折れそうデス……」", "310000521_12": "「ここはひとつ、船長を説得してみるのはどうデスか?」", "310000521_13": "「説得か。\\n やってみる価値はあるかもしれないな」", "310000521_14": "「考えてみれば、生きてるわけじゃないから、\\n 金や宝も必要ない気がするしな……」", "310000521_15": "「――そんなわけで、\\n 今のお前らが盗みなんてやったところで、意味はないだろ」", "310000521_16": "「この海賊船での一切の船舶襲撃、\\n および略奪行為を禁じてはもらえないだろうか?」", "310000521_17": "「ハハハ、何を言い出すかと思えばそんなことか」", "310000521_18": "「もちろん――答えはNOだッ!」", "310000521_19": "「どうしてデスか?\\n お金もお宝も、持っていても使い道なんてないんデスよ?」", "310000521_20": "「奪うことは海賊のロマンだろうが」", "310000521_21": "「な、なるほど……ロマンなら仕方がないデス」", "310000521_22": "「納得するなッ!」", "310000521_23": "「それにな、俺は誰かに指図されるのが大嫌いなんだよ。\\n ここは俺の船で、俺が船長だ」", "310000521_24": "「つまり、船を襲うも、襲わないも自由。\\n 選ぶのは全部、俺だ」", "310000521_25": "「しかし、あなたは錬金術師によって甦った過去の亡霊では――」", "310000521_26": "「ああ、亡霊だな。だがそれがどうした?」", "310000521_27": "「ここに『ロイヤル・フォーチュン号』があって、\\n 船長の俺がいる。なら、俺は海をいくだけだ」", "310000521_28": "「それがブラックバートの生き方、在り方というわけか」", "310000521_29": "「そういうことだな。\\n 海賊であること――それ自体が今の俺の存在理由だ」", "310000521_30": "「さて、もう話はいいだろ?\\n あいつらを鍛え直す時間だぞ」", "310000521_31": "「ったく、しょうがねーなッ!」" }