{ "306000852_0": "「はああああぁぁぁぁぁ――ッ!!」", "306000852_1": "「立花ッ! 左へ跳べッ!」", "306000852_2": "「はいッ!」", "306000852_3": "「やはり火球で来たか、だが――ッ!」", "306000852_4": "「……火球をぶった斬りやがった」", "306000852_5": "「見えている手ならば容易いもの。マリア、決めろッ!」", "306000852_6": "「はあ――ッ!」", "306000852_7": "「よろめいたデスッ! あ、あれ……?」", "306000852_8": "「消えた……。影だからかな」", "306000852_9": "「……そうでしょうね。この場ではしりぞけただけで充分かしら」", "306000852_10": "「ね、姉さん……ネフィリムは……いった……?」", "306000852_11": "「ええ、いったわ」", "306000852_12": "(……わたし、震えてなにもできなかった……)", "306000852_13": "「みんな、セレナを護ってくれて、ありがとう」", "306000852_14": "「もしもあいつがこのまま成長したら……」", "306000852_15": "「力を増し、成長を続けるネフィリム\\n ……放置すればいずれ大きな災厄となる……ッ!」", "306000852_16": "「そうなる前に、討つしかない」", "306000852_17": "「司令、帰投しました」", "306000852_18": "「再びネフィリムと交戦したようだな」", "306000852_19": "「はい。それも前よりおっきくなってました」", "306000852_20": "「消えちゃったのはやっぱり影だったからデスか?」", "306000852_21": "「恐らくですが、ダメージを受けた事で\\n こちらへの干渉力が弱まったのだと思います」", "306000852_22": "「前にも一度ありましたが、その時と同じく、こちらに固着する前に\\n ダメージを与えた事で干渉力を失い、消えたと推測されます」", "306000852_23": "「ただ、もちろん向こうのネフィリムは健在だと思われます。\\n あの状態は影のようなものなので、本体への影響は皆無かと……」", "306000852_24": "「ネフィリムを倒すには、向こうで決着をつけるしかない、\\n ということね……」", "306000852_25": "「聖遺物の摂食によるネフィリムの成長速度は未知数だが、あの\\n ままネフィリムが完全体になってしまえば、大変な事になる」", "306000852_26": "「あれ以上デカイのが街中で暴れたら、手がつけられないからな」", "306000852_27": "「その通りだ。戦って早々ですまないが、\\n マリアくん、翼、響くんは急ぎ向こうへ渡る準備をしてくれるか」", "306000852_28": "「はいッ! きっと次の聖遺物も狙ってます。\\n あの研究所だってまた危ないかも」", "306000852_29": "「元より、すぐにも戻るつもりでしたので」", "306000852_30": "「もちろん、異存はないわ」", "306000852_31": "「脅威が増した事でギャラルホルンがより強く世界を結べば、次は\\n ネフィリム本体がこちらに現れる事態となるかもしれません」", "306000852_32": "「もし、そんな事になれば――」", "306000852_33": "「どっちも、危ない……」", "306000852_34": "「じゃあ、すぐにでも――」", "306000852_35": "「マリア姉さん……」", "306000852_36": "「セレナ、どうしたの?」", "306000852_37": "「……ネフィリムは、\\n あれよりももっと怖い……姿に成長するの……?」", "306000852_38": "「……セレナ」", "306000852_39": "「大丈夫。わたしが護ってあげるから。必ず……ッ!」" }