{ "304000542_0": "「それじゃ、行ってくる」", "304000542_1": "「うん……お願い。マリアさんも……」", "304000542_2": "「任せておきなさい」", "304000542_3": "「これまでの仮説が正しければ――」", "304000542_4": "「並行世界の響さんの精神の安定、つまり負ではなく正の感情が\\n 強くなれば、こちらへの影響は無くなっていくはずです」", "304000542_5": "「その鍵となるのは……恐らく、未来さんでしょう」", "304000542_6": "「わたしが……?」", "304000542_7": "「ええ。響さんにとって、未来さんは欠かせない存在ですから」", "304000542_8": "「ただ、向こうの世界に未来さんがいるのかどうか、\\n その状況が分からないようですし――」", "304000542_9": "「ああ、少なくとも向こうの二課は把握してなかった」", "304000542_10": "「もし見つけ出しても事情を一から伝えて協力を得る事は\\n 非常に困難を要することが予測されます」", "304000542_11": "「それじゃあ、どうしようもないってこと?」", "304000542_12": "「いえ、方法はあります……ですが……」", "304000542_13": "「その方法を教えてッ!」", "304000542_14": "「それは、こちらの未来さんに直接向こうの世界に渡って\\n もらうことです」", "304000542_15": "「……わたしが?」", "304000542_16": "「なッ!? いくらなんでも、そりゃ危険すぎるだろう」", "304000542_17": "「……はい、危険はともないます。\\n ですが、今考えられる方法としてはそれしか……」", "304000542_18": "「待て、ギャラルホルンを通過できるのは装者だけではないのか?」", "304000542_19": "「小日向は装者ではない」", "304000542_20": "「……以前に記録で見ました」", "304000542_21": "「未来さんは、かつて一時とはいえ、\\n ギアを纏ったことがありましたよね?」", "304000542_22": "「神獣鏡……」", "304000542_23": "「はい、そうです」", "304000542_24": "「けど、あれはあの時分解されたデスよ?」", "304000542_25": "「確かに、こちらの世界のものはそうでしょう」", "304000542_26": "「もしかして……」", "304000542_27": "「はい。こちらの世界にはなくても、\\n 向こうの世界になら、まだあるかもしれません」", "304000542_28": "「心配すんな。必ず神獣鏡を見つけてくる」", "304000542_29": "「あなたはいつでも向こうの世界に行けるように、\\n 体調を整えて待ってなさい」", "304000542_30": "「……はい。わかりました」", "304000542_31": "「カルマ化したノイズに対抗するために、2つの世界への対応を\\n 考えても、戦力の増強と向こうの装者の協力は不可欠だ」", "304000542_32": "「難しい任務だとは思うが、\\n なんとかやり遂げてくれッ!」", "304000542_33": "「ああッ! 任せときなッ!」", "304000542_34": "「すぐに朗報を届けて見せるわ」", "304000542_35": "(お願い、2人とも……)", "304000542_36": "(わたしに、響を助ける力を……)" }