{ "506000541_0": "「ふぅ……ッ!\\n 戦士候補のオレが知ってるのはこれぐらい、かな……?」", "506000541_1": "「あ……戦士候補しか教わってないことも話しちゃったから、\\n 一応、みんなには言っちゃダメだよッ!」", "506000541_2": "「……ああ、約束するよ。\\n ありがとな、カイ」", "506000541_3": "「戦士様にお礼を言われちゃった。\\n へへ、オレも誰にも言わないよッ!」", "506000541_4": "「カイ、いるか?\\n ちょっと聞きたいことがあるんだが」", "506000541_5": "「あ、はいッ!", "506000541_6": " じゃあ戦士様、またッ!」", "506000541_7": "「うん、ありがとう」", "506000541_8": "「カヴァーチャ……キョウちゃんとヨウちゃんを連れ去ったのは、\\n この世界を護ろうという想いの集合体だったんだ……」", "506000541_9": "「この世界に生きる人たちを護りたいっていう想いで、\\n 2人はカヴァーチャに選ばれたんだね」", "506000541_10": "「……やっぱり、きっと……\\n 2人の想いは本物だったんだよ」", "506000541_11": "「でも、だからって、たった2人で、全ての人の想いは背負えない。\\n 絶対に逃げられないなら、縛られてるのと変わらないッ!」", "506000541_12": "「それでも最後は、一緒に戦おうとしてくれた。\\n きっと本当の意味でわたしたちと心を通わせてくれたんだッ!」", "506000541_13": "「それがカヴァーチャには許せなかったんだ。\\n 巡る世界のわたしたちに心を開くことは、世界の想いと反するから」", "506000541_14": "「でも……」", "506000541_15": "「護りたかっただけなんだよ。シンフォギアを使った過去の人も、\\n わたしたちの世界に来た、今の人たちも」", "506000541_16": "「なのに、こんなのってない……ッ!」", "506000541_17": "「……なあ、2人とも」", "506000541_18": "「あたしはアヌンナキのことには明るくないけど、\\n この世界の人は自分の力だけで生き抜いてきたんだろ」", "506000541_19": "「シンフォギアを、聖遺物を憎む……推進力は必要だったけど、\\n 必要であれば人工的に作り出してみせた」", "506000541_20": "「この世界は『人の力』で生きてきた世界なんだな……」", "506000541_21": "「はい、きっとそうです。\\n 『神様』に見放されても、それでも人の力で戦ってきた」", "506000541_22": "「……あたしは錬金術師の連中とつるんで長いから、\\n ちょっと思ったんだけどな」", "506000541_23": "「何かを得るために代償を必要とする、\\n 等価交換の技術……」", "506000541_24": "「そいつを錬金術って呼ぶんじゃないか?」", "506000541_25": "「――あッ!?」", "506000541_26": "「この世界が生み出した技術は、\\n 錬金術と同じものってことですか?」", "506000541_27": "「むしろ……この世界の根幹は錬金術にあるんじゃないかな。\\n それがあたしたちの宇宙との違いなんじゃ――」", "506000541_28": "「戦士様ッ!\\n ごめんッ、失礼しますッ!」", "506000541_29": "「カイくんッ!?\\n あれ、さっき呼ばれて……お話はもういいの?」", "506000541_30": "「それが、オレより小さい子たちが、\\n 食料を探しに集落を出て行ったみたいでッ!」", "506000541_31": "「なッ、子供だけで行ったのかッ!?」", "506000541_32": "「まだ遠くには行ってないはずなんだ。\\n お願い、一緒に探してください……ッ!」", "506000541_33": "「もちろんッ!\\n 放ってなんておけないよッ!」", "506000541_34": "「ありがとう、戦士様ッ!\\n やっぱりみんなは、オレたちのために戦ってくれるんだッ!」", "506000541_35": "「――うん……できる限りのことはするよ。\\n だってそれが……わたしのやりたいことだからッ!」" }