{
"501001042_0": "「――立花響は、\\n まだ目覚めないのですか?」",
"501001042_1": "「彼女なくして、\\n ベアトリーチェ打倒はあり得ないでしょう」",
"501001042_2": "「そうだな。\\n 前に戦った時も、決着をつけたのはあいつだ」",
"501001042_3": "「しかし正直、容態はあまり芳しくない。\\n あの世界での、S2CAの負担がここに来て響いている」",
"501001042_4": "「傷は十分に癒えているはずだが、\\n まだ目は覚ましていない」",
"501001042_5": "「元はと言えば、わたしたちのせいで、\\n この状況を招いてしまった……」",
"501001042_6": "「だからこそ、復活してもらわなくては。\\n ベアトリーチェと、そしてわたしたちとの決着がつきません」",
"501001042_7": "「うん……。\\n でも、今のままじゃ……響……」",
"501001042_8": "「1つ……、\\n 方法があります」",
"501001042_9": "「……え?」",
"501001042_10": "「あたしたちが、\\n この世界にばらまいた『人工聖遺物』の力を使うんだ」",
"501001042_11": "「あの中には、紛い物とはいえ癒やしの力を持つ、\\n 『アスクレピオスの杖』があります」",
"501001042_12": "「あれを軸に、人工聖遺物全ての力を束ねれば……\\n 立花響を癒やすくらいならば、可能かと」",
"501001042_13": "「それッ!\\n ボクにも手伝わせてくださいッ!」",
"501001042_14": "「ボクは、『人工聖遺物』に仕組まれた罠を見抜けずに、\\n 大きな失敗をしてしまいました」",
"501001042_15": "「あの時の失敗を2度と繰り返さないように、\\n みなさんがいない間も、ずっと研究を続けていたんです」",
"501001042_16": "「その成果を見せるのは、今しかありませんッ!\\n お願いですッ! ボクにできることを、したいんですッ!」",
"501001042_17": "(……この世界の人たちは、\\n 本当に馬鹿みたいに、光に手を伸ばし続けている……)",
"501001042_18": "(まったく……。\\n どいつもこいつも、嫌になりますよ)",
"501001042_19": "(…………。\\n でも、本当に嫌なのは……)",
"501001042_20": "「……わかりました。\\n 一緒にやりましょう」",
"501001042_21": "「ありがとうございますッ!!」",
"501001042_22": "「それじゃあ早速、\\n 『アスクレピオスの杖』を起動しよう」",
"501001042_23": "「はいッ!\\n 保管してある場所にご案内しますねッ!」",
"501001042_24": "「ん、ん……?」",
"501001042_25": "「……わたし……\\n ああ、そうか……戻ってこられたんだ……」",
"501001042_26": "「そしてこれから、わたしは――……」",
"501001042_27": "「ありがとう、キョウちゃん、ヨウちゃん、エルフナインちゃん。\\n 3人の想いも、しっかり届いてたよ」",
"501001042_28": "「響さん……」",
"501001042_29": "「そんなことは……どうだっていいんです。\\n わたしたちは戦いに引き戻すために、あなたを癒し、呼び起こした」",
"501001042_30": "「起きて早々に悪いが……\\n 戦いは、きっとすぐに始まるぞ」",
"501001042_31": "「うん……。\\n わかってる」",
"501001042_32": "「ついに、来たんだね。\\n その時が……」"
}