{ "397000432_0": "「こいつら、どれだけいるのよッ!?」", "397000432_1": "「奥の部屋から、どんどん増えてくるッ!\\n キリがないッ!」", "397000432_2": "「わ……ッ!\\n こ、こっちに――」", "397000432_3": "「エルフナイン――ッ!」", "397000432_4": "「危なかった……ッ!\\n 大丈夫?」", "397000432_5": "「す、すみません……」", "397000432_6": "「ううん。いつもエルフナインに助けられてるもの。\\n これくらい、どうってことないよ」", "397000432_7": "(それでも、ボクが1番みなさんの負担に\\n なっていることは明らかです……)", "397000432_8": "「本部の中というのが厄介ね。下手に出力の高いギアを\\n 纏えば、本部の設備を破壊しかねないし」", "397000432_9": "「それに、隠れている職員さんがいれば、\\n 巻き添えにしてしまうかも……」", "397000432_10": "「交戦を最低限に抑えて職員を助けて、みんなを外に逃がせれば\\n いいんだけど……そう都合良くはいかないわね」", "397000432_11": "「そうか……必要なのは、強い力ではなく、\\n 現状を打開する能力――ッ!」", "397000432_12": "「みなさん。\\n イチかバチかですが……ボクに考えがあります」", "397000432_13": "「考え?」", "397000432_14": "「聞かせてもらえるかしら?」", "397000432_15": "「『アリアドネの糸』です。あの聖遺物には、迷宮を抜け出す\\n 道しるべになったという逸話があります」", "397000432_16": "「でも、『アリアドネの糸』は分析がまだ途中のはずよね?」", "397000432_17": "「はい。\\n ですから、これはイチかバチかです」", "397000432_18": "「けれど、広く入り組んだS.O.N.G.本部で、職員のみなさんを助け、\\n 安全に脱出するには、新たな力が必要です」", "397000432_19": "「確かに、それはそうかもしれないけど……」", "397000432_20": "「勝算があるの?」", "397000432_21": "「それは、その……", "397000432_22": " か、かつて弦十郎さんも、こう言ったと聞きましたッ!」", "397000432_23": "「思いつきを数字で語れるものかよーッ!」", "397000432_24": "「エ、エルフナイン……?」", "397000432_25": "「……なんて、威勢のいいことを言えればいいんですけど。", "397000432_26": " これは、どこまでも賭けです」", "397000432_27": "「それでもボクは、信じたいッ!\\n みなさんと一緒に戦ってきたからこその『思いつき』が……」", "397000432_28": "「現状を打破するに足るものだとッ!!」", "397000432_29": "「……そうだったわね。\\n あなたには、何度も何度も助けられたのだもの」", "397000432_30": "「今回だって、きっと。\\n ――いいわ。あなたの『思いつき』に賭けましょう」", "397000432_31": "「わたしも、エルフナインを信じるよ」", "397000432_32": "「――ッ!", "397000432_33": " ありがとうございますッ!」", "397000432_34": "「もちろん、俺も異論はないよ」", "397000432_35": "「それなら、まずはエルフナインちゃんの\\n 研究室に向かわないとね」", "397000432_36": "「ええ、何が出てきても、\\n あなたたちには指一本触れさせない。行くわよッ!!」" }