{ "504000212_0": "「先手必勝……\\n 派手にやるッ!」", "504000212_1": "「マスターのためなら、\\n たとえ火の中、雪の中だゾッ!」", "504000212_2": "「あなたとマスターとの間に、\\n どんな因縁があるかは存じませんけど……」", "504000212_3": "「マスターの前に立ちはだかる者は、\\n すべて薙ぎ払うのみッ!」", "504000212_4": "「――ッ!", "504000212_5": " おまえたち……ッ!」", "504000212_6": "「フン。\\n まだまだ戦いは始またバカリだヨッ!」", "504000212_7": "「ああーッ!?\\n また出たゾッ!」", "504000212_8": "「ザコがどれだけ増えようと、\\n 蹴散らすまでッ!」", "504000212_9": "「だたら、わたしが自分でやるヨッ!」", "504000212_10": "「悪い人間たちは……ッ!\\n おまえたちも、……キャロルもッ!」", "504000212_11": "「みんな、滅びテしまえ……ッ!」", "504000212_12": "「今から300年前……」", "504000212_13": "「古き良き伝統を守る国、ゴマ・タパにも\\n 近代化の波が押し寄せていた……」", "504000212_14": "「諸外国の産業や技術を受け入れ、\\n ゴマ・タパは急速に発展した」", "504000212_15": "「だがそれを良しとせず、古くからの\\n 伝統や文化を守ろうとする者たちもいた」", "504000212_16": "「2つの勢力はぶつかり合い、ゴマ・タパは\\n 内戦状態となって、国は荒れ果てた」", "504000212_17": "「そして保守派は、強大な力を宿す\\n 『サガルマータの魂』という霊石に目をつけた」", "504000212_18": "「霊石の力を使い、\\n 革新派や外国勢力を一掃しようとしたんだ」", "504000212_19": "「その霊石の使い手に選ばれた錬金術師が、\\n キャロルだったんだな?」", "504000212_20": "「そうだ。賢者の石にも引けを取らない\\n 力を宿す『サガルマータの魂』……」", "504000212_21": "「それを手に入れることは、\\n キャロルにとっても望ましいことだった」", "504000212_22": "「だがキャロルの錬成は失敗し、\\n 宝石に蓄積された力が暴走してしまった」", "504000212_23": "「そして、ゴマ・タパは滅びた……」", "504000212_24": "「その暴走した『力』……」", "504000212_25": "「いや、宝石に宿る力が人の姿となって\\n 具現化した存在が、ギータなんだな?」", "504000212_26": "「そうだ。\\n 古来より、あの地方では……」", "504000212_27": "「サガルマータ、つまりエベレストを霊峰として崇め、\\n 人々は祈りを捧げてきた」", "504000212_28": "「そういった人々の山に対する畏怖、畏敬、\\n さまざまな想いが蓄積し……」", "504000212_29": "「『サガルマータの魂』という宝石に\\n 凝縮されてきたのだ」", "504000212_30": "「古来より受け継がれてきた、\\n 山に対する人々の想いか……」", "504000212_31": "「だが、それならば何故……\\n ギータは国を滅ぼしてしまったんだ?」", "504000212_32": "「ゴマ・タパの民は、\\n サガルマータを崇め奉っていたんだろう?」", "504000212_33": "「破壊神というより……\\n むしろ守護神として顕現しそうなものだがな」", "504000212_34": "「それはやはり、人間の心が\\n 荒んでしまったから……だろうな」", "504000212_35": "「自らのエゴで国を荒らし、山を荒らし、\\n 山を敬う心までも忘れてしまった……」", "504000212_36": "「そんなゴマ・タパの民に、\\n ギータが天罰を与えた、とでもいうのか?」", "504000212_37": "「そういうことだ」", "504000212_38": "「そして現代においても人の心は荒廃し、\\n ギータは再び眠りから目覚めた」", "504000212_39": "「おそらくキャロルは、300年前に……」", "504000212_40": "「ギータを完全に封印しきれなかったことを、\\n 今も悔いているのだろう」", "504000212_41": "「だからキャロルくんは、ギータと……」", "504000212_42": "「いや、霊峰サガルマータに宿る魂と、\\n たった1人で向き合うために……」", "504000212_43": "「…………」", "504000212_44": "「命懸けで、\\n 責任を取ろうとしてるわけか……」", "504000212_45": "「…………」" }