{ "503000712_0": "「…………」", "503000712_1": "「消えた……\\n これはやっぱり夢……いえ、幻?」", "503000712_2": "「…………」", "503000712_3": "「いや、違う……。\\n この感覚は、前にも覚えがある……」", "503000712_4": "「あれは確か、エルフナインが\\n LiNKERを開発していた時に……」", "503000712_5": "「そう、頭の中を覗かれていた。\\n あの時と同じように……」", "503000712_6": "「だとしたら、いつから……?\\n いつからわたしたちは『観測』されていた?」", "503000712_7": "「そうだ……雪山で、\\n ギアの調子が悪くなって……」", "503000712_8": "「寒くなったり、息苦しくなったり……\\n そんなはずないのに……ッ!」", "503000712_9": "「ったく、人の古傷を遠慮もなく\\n ほじくり返しやがって……ッ!」", "503000712_10": "「どこのどいつが、あたしの頭ん中を勝手していやがるッ!?\\n 正体を見せやがれッ!」", "503000712_11": "「…………」", "503000712_12": "「これが心象風景だとすれば、\\n ブリザードや雪崩も、幻だったというの?」", "503000712_13": "「いや……あの恐怖は、違和感を挟む隙もない、\\n まぎれもない根源的恐怖だった。ならば――」", "503000712_14": "「雪山に対する怖れが、\\n わたしたちに幻影を見せ続けた……?」", "503000712_15": "「ようやく、気がついた……?」", "503000712_16": "「――ッ!?」", "503000712_17": "「…………」", "503000712_18": "「セレナ……ッ!」" }