{ "103500211_0": "新たな脅威", "103500211_1": "「進捗はどうだ?」", "103500211_2": "「あっ、司令。お疲れ様です」", "103500211_3": "「有り体に申し上げて、\\n 順調に難航中、といったところですね」", "103500211_4": "「ウェル博士の遺したチップ……相当の難物のようだな」", "103500211_5": "「データが何種類もの複雑な暗号化でガードされてまして。\\n まだ断片的にしか復号化できていない状況です」", "103500211_6": "「この中に最新のLiNKERのレシピが\\n 含まれているらしいことだけはわかったのですが……」", "103500211_7": "「まったく。あの天才ならぬ天災博士のおかげで\\n 今月の残業時間がどんどん増えてますよ」", "103500211_8": "「あら、お手当増えていいじゃない?」", "103500211_9": "「使う時間があればもっと嬉しいんだけどね」", "103500211_10": "「すまん。お前たちには無理をさせる」", "103500211_11": "「やめて下さい。別に司令のせいじゃないんですから」", "103500211_12": "「たまのボヤきくらいは大目に見て下さい」", "103500211_13": "「フッ……そうだな。\\n それで、部分的にでもわかったことはあるか?」", "103500211_14": "「正直言って、まだほとんど何も、ですね」", "103500211_15": "「ギアを人体に接続するには脳のどの領域を経由しているのか、\\n そんな基本的なことも我々は正確には把握していませんから」", "103500211_16": "「ふむ……エルフナインくんの知識を持ってしてもか?」", "103500211_17": "「ボクにわかるのはコンバーターやリミッターまわりと言った\\n 数億もあるギア機構の、表層的なほんの一握りのみです」", "103500211_18": "「一緒にウェル博士のデータを解析し、\\n 了子さんの残した研究資料と照合しているところですが……」", "103500211_19": "「正直なところ、LiNKERの開発にこぎつけるには\\n まだかなりの時間が必要そうですね……」", "103500211_20": "(了子くんにナスターシャ教授、それにウェル博士……)", "103500211_21": "(聖遺物やLiNKERについて知悉した異才たちを\\n 次々に喪ったことは、人類にとって余りに痛い損失だった)", "103500211_22": "(だが、ここで立ち止まるわけにもいくまい……。\\n 託された知識と技術、必ず我々が継いで見せる)", "103500211_23": "「司令? どうかしましたか?」", "103500211_24": "「……いや、なんでもない。状況はわかった。\\n なに、焦る必要はない。確実に解析を進めるんだ」", "103500211_25": "「了解です」", "103500211_26": "「クリス先輩、もう少し訓練付き合ってもらっていいデスか?」", "103500211_27": "「わたしも……もっと、強くなりたいから……」", "103500211_28": "「ああ。いくらでもつきあってやるよ」", "103500211_29": "「じゃあ早速、始めるデスよッ!」", "103500211_30": "「ちょっと待て。さっきと同じじゃ面白くねえ。\\n 今度は組み合わせを変えてみるってのはどうだ?」", "103500211_31": "「それって……」", "103500211_32": "「アタシと調の組み合わせじゃ弱いからデスか?」", "103500211_33": "「ったく。いちいち悪く取るなっての」", "103500211_34": "「そうじゃなくて。作戦やその時の状況によっちゃ、\\n 必ずお前たち2人が一緒に戦えるとも限らねぇだろ?」", "103500211_35": "「組み合わせを変えても力を充分発揮できるかどうかで、\\n 任務の成功率はだいぶ違ってくるはずだからな」", "103500211_36": "「すごいねクリスちゃん。そんなこと考えてるんだ」", "103500211_37": "「お前が考えてなさすぎなだけだってのッ!」", "103500211_38": "「あははは~、面目ない。\\n それで、どう組もっか?」", "103500211_39": "「そうだな……近接・遠隔の組み合わせで2組に分けてみるか。\\n バランスもあるしな」", "103500211_40": "「わたしが近接で、クリスちゃんが遠隔だよね。\\n えっと、そうなると2人は――」", "103500211_41": "「どちらかといえばわたしが遠隔だから……響さんと……?」", "103500211_42": "「で、アタシが近接だからクリス先輩と組むデスか?」", "103500211_43": "「そういうことだな」", "103500211_44": "「よろしくね、調ちゃん」", "103500211_45": "「よろしくお願いします……」", "103500211_46": "「2人だけで組んだことってあまりないから、\\n なんだか新鮮だね~」", "103500211_47": "「訓練以外じゃ調と戦いたくなんて無いデスけど、\\n やるからには全力デスッ!」", "103500211_48": "「うん。わたしも、全力だよ」", "103500211_49": "「気合入ってていいじゃねーか」", "103500211_50": "「それじゃ、さっそく始めようッ!」" }